第118話八月十五日夜、湓亭望月
八月十五日夜、湓亭望月
昔年八月十五夜 曲江池畔杏園邊 今年八月十五夜 湓浦沙頭水館前
西北望郷何處是 東南見月幾廻圓 臨風一嘆無人會 今夜清光似往年
八月十五日の夜に湓亭で月を眺める。
八月十五日と言えば、昔は曲江のほとり、杏園のあたりにいた。
今年の八月十五日は、湓浦の水に臨む館の前にいる。
故郷を西北の彼方に眺めても、どこのあたりなのだろうか。
東南の地で眺める月は、何度丸くなったことであろうか。
風にあたり、ため息をついたとしても、私の心など察してくれる人はいない。
月のさやかな光は、今夜と昔と、何も変わることはないのだけれど。
※湓亭:湓浦の水に臨む館。
※曲江:長安東の行楽地。
※杏園:曲江西南にあった庭園。
○元和十三年(818)、江州の作。
○中秋の名月を眺めながら、過去と現在、はるか故郷を想っている。
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