第117話聞龜児詠詩

 聞龜児詠詩


 憐かれ已解弄詩草  揺膝支頤学二郎    

 莫学二郎吟太苦  年纔四十鬢如霜


亀児が詩を口ずさむのを聞いた。


可愛いけれど、この子は、早くも詩を詠唱することができる。

膝を揺らして、ほおづえをついて、二郎おじさんの真似をする。

でもね、二郎おじさんが詩を詠じる苦労までは、真似してはいけない。

この二郎おじさんは、四十になったばかりで、髪は真っ白なんだから。


※亀児:弟の子供。

※憐:可愛らしく思っている表現。


○元和十三年(818)、江州の作。

○甥の亀児は、白楽天の真似をして詩を詠んだらしい。

○ということは、白楽天は膝を揺らして、ほおづえをついて、詩を詠んだことになる。

○子供に真似をされると、可愛い反面、恥ずかしいものがある。

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