第116話夢與李七、庾三十三同訪元九
夜夢歸長安 見我故親友 損之在我左 順之在我右
云是二月天 春風出攜手 同過靖安里 下馬尋元九
元九正獨坐 見我笑開口 還指西院花 仍開北亭酒
如言各有故 似惜歡難久 神合俄頃間 神離欠伸後
覺來疑在側 求索無所有 殘燈影閃牆 斜月光穿牖
天明西北望 萬里君知否 老去無見期 踟躕搔白首
夢の中で、李七と庾三十三と一緒に元九を訪ねた。
夜に、長安に帰り、旧友と会う夢を見た。
損之(李七)は私の左、順之(庾三十三)は私の右。
季節は、ちょうど二月。
春風が吹いているので、一緒に遊びに出かけようということになった。
そろって靖安里に立ち寄り、馬を降りて元九を訪ねた。
元九は、その時一人で座っていたけれど、私の顔を見て笑っている。
西院の花を指さし、北亭で酒宴を開いてくれた。
集まった者がそれぞれ、積もる話をしたらしい。
出会いの喜びが尽きるを惜しむように。
魂が一堂に介したのは、つかの間だった。
今、夢からさめたけれど、皆そばにいるような気がする。
しかし、探してみたところで、誰もいない。
灯りの火影は消えかかりながらもゆらめき、傾いた月の光が窓を通してさしこんでくる。
夜明けに西北の方角を眺めたけれど、万里の先の君たちに、私の想いは届いたのだろうか。
再会の機会など、老いゆく我々にはない。
白髪が増えた頭をかきむしり、寂しさのあまり歩き回っている。
※李七:李宗閔。字は損之。
※靖安里:長安の坊里の名、元稹の居宅があった。
※西院:元稹の邸宅の西の庭園。
※北亭:北の東屋。
※神:肉体を離れた魂。夢の中で逢い、かつ別れるので神。
○元和十三年(818),江州の作。
○夢見の詩。
○寂寥感が、美しく表現されている。
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