第111話薔薇正開 春酒初熟
因招劉十九、張大、崔二十四同飲
試將詩句相招去 儻有風情或可來 明日早花應更好 心期同醉卯時盃
薔薇の花が正に開いたと同時に、春の酒ができあがった。
そういうことなので、劉十九、張大、崔二十四を招いて、一緒に飲むことにした。
竹葉酒はかめのなかで、春を経て熟成となった。
ちょうど、きざはしの下の薔薇は夏を感じ、開いている。
その花弁は 火のように淡い部分と濃い部分がある。
その中で紅の薔薇が花の棚を圧するように咲き誇っている。
出来上がった酒は、味わいは飴のようだ。
その緑の酒はかめの台に粘りついている。
この風情を詩句にうたい、誘いをかけてみよう。
もし風情を感じたらお越し願いたい。
明日の朝、花はますます美しくなる。
朝から杯をあげて、ともに酔おうではないか。
※劉十九、張大、崔二十四:江州の飲み友達。
※竹葉:銘酒の名前。
※如餳氣味:飴のように粘りつく濃厚な風味。
※招去:招待しよう。「去」は動詞の「招」の後について「・・・しよう」の意を添える。
※卯時盃:「卯時」は朝六時頃。
○元和十三年(818)、江州の作。
○薔薇の花を愛でながら、熟成した竹葉の酒を気の置けない飲み友達と飲みたいとの誘いである。
○ただ、朝六時に酒を飲むとすると、その前に起きていなければならない。
もしかして、その前から(夜通し?)飲んでいるのだろうか。
白楽天に事情を聞きたくなった。
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