第112話食後

食罷一覺睡 起來兩甌りょうおう茶 擧頭看日影 已復西南斜

樂人惜日促 憂人厭年賖 無憂無樂者 長短任生涯


食事を終えれば一眠り。

起きればお茶を二杯。

顔をあげて空を見れば、

すでに西南に太陽は傾いている。

楽しく生きている人は、一日が短いと惜しみ、

憂いに沈んで生きている人は、一年が長いと苦しんでいる。

憂いも楽しみもない人は、長いも短いも、ただ生きるに任せるのみ。


兩甌りょうおう茶:甌は小さな鉢、茶碗として使う。


○元和十二年(817)、江州の作。

○わかりやすい昼寝の詩。

○すでに苦楽を超越してきているような趣がある。

○楽しい時間は短く、辛い時間は長い。時間の長短の感覚には主観が投影される。

 少し「相対性理論」を思い出した。

○いい加減な学生時代を、思い出してしまった。

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