第99話東南行(8)

鞍馬あんば呼教住 骰盤とうばん喝遣輸 長驅ちょうく波卷白 連擲れんてき采成盧

(骰盤、卷白波けんはくは莫走ばくそう、鞍馬,皆當時酒令)


ちゅう併頻逃席 觥嚴彆置盂 滿卮まんし那可灌 頹玉たいぎょく不勝扶


鞍馬あんばは一声で動きを止める遊び。

骰盤とうばんは大声で相手を負かす遊び。

長驅ちょうくでは波が白く巻く。

連擲れんてきでは、さいの目が「盧」だった。

骰盤とうばん卷白波けんはくは莫走ばくそう鞍馬あんばは、全てあの頃の酒席での遊び)


罰杯の数を示す竹の棒が増えて並び、何度も席を脱走しても、罰杯は厳格である。

さらに別の杯まで置かれてしまった。

あんな杯にあふれるような酒を飲み干すことができるのだろうか。

そもそも酔ってしまってフラフラで身体だって支えられない。


鞍馬あんば:太鼓に合わせて品物を順に回して、太鼓が止まった時に持っていた人が罰杯を飲んだ。

骰盤とうばん:サイコロを振って負けた人が罰杯を飲む。「輸」はゲームに負けること。

長驅ちょうく波卷白:内容は不明。

連擲れんてき:連続してサイコロを振る。「盧」は五つのサイコロが全て黒に出た良い目。

ちゅう併:ちゅうは罰杯の数を示す竹の棒。

※「觥」は酒杯。

※「盂」は酒器。

滿卮まんし:杯を満たす。

頹玉たいぎょく:酔いつぶれた姿。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る