第66話舟中雨夜

江雲暗悠悠  江風冷脩脩しゅうしゅう

夜雨滴船背  海浪打船頭

船中有病客  左降向江州


雲は長江を覆い、暗く広がっている。

また、吹く風は冷たい音を立てている。

夜の雨は舟の屋根に滴り、波は舳先に打ちつける。

心を病む病人が舟の中にいる。

左遷され、江州に向かうその人のことだ。


○元和十年(815)、長安から江州に向かう途上の作。

○昼間には、のんびりでいいなどと詠み、夜には左遷のショックを詠む。

○白楽天先生、なかなか気持そのものを詠んでいる。

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