第64話初貶官過望秦嶺

初貶官過望秦嶺

自此後詩江州路上作


左遷の処分となり、望秦嶺を通りかかった。

これ以後の詩は、江州に向かう途上で作ったものとなる。



草草辞家憂後事 遅遅去國問前途

望秦嶺上迴頭立 無限秋風吹白鬚


後の事は心配になるけれど、家を慌ただしく出ることになった。

歩みは重く、前途を尋ねたりする。

望秦嶺の上に立ち、今までの道を振り返った。

既に白くなった鬚に、秋風がいつまでも吹き付けてくる。


※望秦嶺:商州県の秦嶺山あるいは、長安を一望できる山と言われている。

※草草:胸を痛めながら忙しく


○元和十年(815)、長安を出て望秦嶺通過時の作。

○左遷の寂寥感が強く感じられる。






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