第63話白楽天の左遷

元和十年(815)六月三日、当時の宰相の武元衡ぶげんこうが、登庁の途上に暗殺された。

太子左賛善大夫(太子の教育顧問)の任にあった白楽天は、「真相の究明」を上奏したけれど、それが分を越えた「越権行為」と判断され、江州に司馬(政治犯)として左遷されることになった。

また、白居易の親しい官僚も、十年、十一年と連続して朝廷から追放処分となった。


八月初めに長安を出発、江州には十月初めに到着。

江州では、左遷の悲哀、異なる風土に対するカルチャーショックの中で、人生に対する考えや、本当の幸せに対しての考えを深めるようになる。


また、この左遷の時期に、文学論として名高い「元九に与うる書」ほか、我が国の文学に多大な影響を与えた詩を数多く作成している。


※明日より、江州時期の和訳を行います。

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