第31話新楽府 其一 七徳舞(1)

七德舞、七德歌、傳自武德至元和、


元和小臣白居易 觀舞聽歌知樂意 樂終稽首陳其事 

太宗十八舉義兵 白旄黃鉞定兩京 擒充戮竇四海清

二十有四功業成 二十有九即帝位 三十有五致太平

功成理定何神速 速在推心置人腹


七徳の舞と七徳の歌は、武徳帝の御代から、この元和の時代へと伝えられてきました。

この元和の時代の一人の臣下である白居易は、この舞を見て歌を聞き、そしてこの楽の意味深さを理解し、曲の終わりと同時に、稽首して、それについて申し上げます。


太宗皇帝は十八歳の時に、義軍として挙兵し、純白の旗をかかげ、黄金に輝くマサカリを手に、東西の都を平定されました。

王世充を捕らえ、竇建徳を死罪とし、四海を静かな海となされました。

二十四歳の時には、その功業を成し遂げ、二十九歳の時に帝位におつきになり、三十五歳の時に天下に太平をもたらされたのです。

この功業の成就、治世の実現、神の御業としか言いようのない迅速さでした。

その迅速さは、太宗皇帝の気高い御心が、遍く人々の心の中に行き渡ったことからなのだと確信をしています。



※稽首(けいしゅ):頭をしばらく地につけたままにする最も恭しい礼

※王世充、竇建徳:隋末代の群雄

※功業なる:二十四歳の時に王世充、竇建徳を滅ぼし、華北を統一したこと

※即位:李世民(太宗皇帝)は武徳九年(626)二十九歳の時に、兄弟を殺害し父に譲位を迫り、即位。翌年、貞観に改元


○ここまでは李世民の即位までの事実等の記載、次回から文体、内容等が変化します。

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