第30話新楽府 其一 七徳舞 小序
美撥乱陳王業也
武徳中 天子始作秦王破陣楽 以歌太宗之功業
貞観初 太宗重制破陣楽 舞圖 詔魏徴・虞世南等為之歌詞
因名七徳舞 自龍朔巳後 詔郊廟亨宴 皆先奏之
戦乱を収束させた帝王の功業を述べ、讃える。
武徳の年間に秦の天子は初めて「秦王破陣楽」をお作りになられた。
それは太宗の功績を歌うものであった。
貞観の初めの年、太宗は重ねて「破陣楽舞図」をお作りになられ、魏徴・虞世南等を召して歌詞の作成を命じ、「七徳の舞」と名付けられた。
龍朔以降は、詔により、郊廟の祭祀の饗宴においては、常にこの曲を演奏させることになった。
※七徳舞:唐の宮廷を代表する舞楽
「夫れ武は暴を禁じ、兵をおさめ、大を保ち、功を定め、民を安らげ、衆を和し、財を豊かにするものなり・・・武に七徳有り」
※小序:新楽府につけられた各篇の意図を端的に示すもの、詩経にも小序が伴う。
※美撥乱陳王業也:撥乱は混乱を収めること、戦乱を収束させると訳しました。
※武徳:唐の最初の年号。高祖李淵の治世(618~626)
※秦王破陣楽:第二代皇帝李世民が即位する前、秦王であった時に作った歌曲
※貞観:太宗在位時(627~649)の年号。貞観の治と言われ後代理想的な治世と讃えられた。
※破陣楽舞図:貞観七年(633)制作。
※魏徴・虞世南:唐初期の重臣
※郊廟:郊は天子、廟は祖先を祀る。いずれも天子の行うべき重要な祭祀
※亨宴:天子が臣下をもてなす饗宴
○次回から本文の訳となります。
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