第3話長安正月十五日

諠諠車騎帝王州 羈病無心逐勝遊 

名月春風三五夜 萬人行楽一人愁



喧騒の極みとも言えるほど車馬が行き交う ここは長安の都


しかし私は長旅の疲れで 物見遊山などする気もない


それでも 窓を開ければ 明月だ


そのうえ 春風が芳香を運ぶ 満月の夜だ


世間の人全てが この素晴らしい季節を楽しむのに 


私一人だけが愁い 沈み込む




○貞元十六年(800)の作

 長安に進士受験のために上京していた時期。

 街は賑やかなうえに、上元節の節句の日。

 大都会に出てきた受験生が感じたカルチャーショックなのだと思う。

 

 


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