第4話月を見て逝きし者を悲しむ

感月悲逝者


存亡感月一潸然 月色今宵似往年

何處曾経同望月 櫻桃樹下後堂前



親しき人は還らぬ人となった


そのやりきれない寂しさ悲しさに 月を見る


涙が 一筋 頬をつたう


月の光は 今も あの時も 何も変わらない


一緒にこの月を愛でたのは どこであっただろうか


それは桜桃の木の下 奥殿の前




※亡くなった人を想い、月を見る。

 明るくとも薄雲がかかっていても、映る姿がそこにある。



○貞元十六年(800)以前の作と言われる。

 正確な時期や場所は不明

 追悼する人は、おそらく親しかった女性。




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