第22話 黄金の蛙2
壁にとまっている蚊を捕まえるのは、案外に簡単でビニール袋を膨らませて壁に密着させて少しずつ下にずらしていくと蚊の方から勝手にビニール袋に入ってきました。
問題はビニール袋から虫かごへ蚊を移す時です。
どうやっても蚊の半分は虫かごに入らずに部屋中に飛んで消えるのです。実家のピアノ部屋は広く15畳くらいの広さです。
ピアノの生徒は5ヶ所くらい刺された頃、帰って行くのですが、私は蚊に刺され易い体質の上に、次のレッスンの時間も刺され、自分の練習時間も刺され、手足首顔20ヶ所くらい膨れてかゆいのなんの。
ピアノのレッスンの前には、必ず蚊を生徒と一緒に捕まえて蛙が蚊を食べる瞬間を生徒と一緒に観察してました。
ピアノ教室ですけどね。
ピアノを習いに行くと帰って来るのが遅いと生徒の親御さんには思われていたでしょうね。
あっ、黄金の蛙についての説明がまだでした。
おたまじゃくしの時は、土色でした。
蛙になってからは、ピョンピョン跳ぶので虫かごに蓋をしました。
そしたらなんと!
いつの間にか黄金の蛙に・・・。
新種発見か、と生徒と名前を考えたりしてね。
おたまじゃくしたちが全員、蛙になったので、土と草を入れてやりました。
そしたらなんと、三日後に黄緑色の蛙と土色の蛙に・・・。ただの雨蛙に。
雨蛙が、身体の色を変えれるなんて知りませんでした。
黄金の蛙は、虫かごの蓋が、蛍光黄色だったので、黄色になれずテカった黄土色になったのでした。
いやあ、楽しかったです。
ピアノ教室ですけどね。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます