泪の譯

Madfum with 伊丹狩留

プロローグ

俺の何時もはしがない学校生活から始まって終わる。

その中で俺の大切なひとときは、幼馴染みの〝彩希〟との登校と下校なのだ。

俺と彩希は年齢も同じで学校も同じだけどクラスが違う。

俺は6年1組で彩希は6年3組。

俺の1組の教室は1階で彩希の3組は3階だから何時もげた箱付近の水飲み場で別れて、待ち合わせをしている。

この小学校の方針は有能な生徒ほど教室の階数が上の教室にクラス分けされている。

校舎は3階建て即ち俺は1番馬鹿なクラスに居るって事になる。

俺と彩希がこんなに差が着き始めたのは気付けば(もうそうなっていた)としか言えない。

そういえば、 俺と彩希の出合いは正直ちゃんと覚えてはいない。

俺と彩希は保育所の頃に物心着いたときには既に一緒に遊んでいて家もお隣と言うこともあり二人は兄妹にも似た関係でもあった。

でも、俺は兄妹じゃなく別な感情もあったのかもしれない。

そうやって今日まで彩希の笑顔を見てた。

そうやって今日まで彩希の泣きそうでもけして泣かない彩希の強気な顔を見てた。

そうやって今日まで彩希の隣で歩いているだけで嬉しかった。

そして今日も彩希と登校して何時もは始まる。

そして今日も彩希と下校して何時もは終わる。


俺の何時もはそうやって繰り返されては少なくても幸せを感じていた。

そんな〝何時も〟がいつまでも続いて行くんだなって口元が少し緩んでしまう様だった。





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