第13話 奮戦する織田信行
織田信行は織田信長に戦いを仕掛け敗北後、信長に許されて林、柴田、佐久間盛重と共に知多半島の防衛を任された。織田信行は知多半島の美浜町は敵を迎え撃つのに有利な地形と考えて大規模な陣地を築き上げた。
南知多町役場 運動公園、布柿ケ坪、全忠寺、平井下、南知多町民グランド、田至ル谷、中部国際空港の八か所に航空基地を建設した。
このうち布柿ケ坪、平井下、中部国際空港、田至ル谷は本格的な基地として整備されていた。司令部は日本福祉大学美浜キャンパスを接収して使用した。
南知多は小高い丘と山が多く、敵を砲撃する陣地を築きやすい地域だった。これらの場所に防御シールド付きの偽装の陣地を設けた上で本物は1.5メートル厚のコンクリートの防御陣地にされていた。浜辺近くにも偽装陣地を設けてカモフラージュが行われていた。
今川軍は朝比奈泰能が指揮をする形で行われた。上陸は山田海岸、河和海水浴場、千鳥ケ浜海水浴場、若松海水浴場、奥田海水浴場、坂井海水浴場に対して行われることになった。
今川軍は航空機による一大爆撃を行うことにした。織田方の迎撃機の攻撃を受けるも敵の防御陣地を破壊したのちに三河側にある山田海岸、河和海水浴場に上陸を仕掛けた。
山田海岸周辺の鳶ケ崎、南知多町役場 運動公園飛行場周辺、上小谷に築かれた砲撃陣地は偽装のみ破壊されただけで本物の陣地は健在だったために山田海岸に上陸した今川軍に砲撃を浴びせることが出来た。
河和海水浴場での戦いは知多半島における戦いで最激戦地となった、同地は山田海岸と異なり、浜辺の近くに丘があったために、極めて精度の高い砲撃と重機関銃による射撃を受けた。
上陸用艇は重機関銃の射撃に対してさえオーバーキルの状態で…多くが爆発炎上した。それでも今川軍は強硬上陸をかけるが…強固な護岸とコンクリート障害物により、上陸は困難を極めた。
ダッダダダ!ダッダダダ!ダッダダダ!(重機関銃の音)
激しい重機関銃の射撃を受けながらも今川軍は勇敢に前進した。まず、最初に落ちたのは上小谷の陣地であった。山田海岸は丘が離れていたことと上小谷の陣地は運動公園飛行場へと続く道を守るように設置されていたために重要と見なされ今川軍の猛攻を受けたからである。その後、今川軍の戦車隊を中心に運動公園飛行場に対して突破戦が仕掛けられ飛行場が落ちたのちに周囲の陣地も激しい爆撃と攻撃で陥落した。
これに対して鳶ケ崎の陣地は難攻不落で手が付けられない要塞と化していた。同じく、南知多町の南部は山間で攻略は難航するのが目に見えていた。
今川軍の主力部隊は今川海軍と共に知多半島を周り、伊勢側に行くと千鳥ケ浜海水浴場、若松海水浴場、奥田海水浴場、坂井海水浴場の各海岸に上陸を仕掛けようとした。しかし、途中、織田軍の陸上からの砲撃などどを受けることとなった。さらに機雷、潜水艦、小型艇の妨害を受けるが今川軍は、これらを排除して進撃した。
中部国際空港などからも航空攻撃を受けるが上陸を開始した。まずは南知多町にある千鳥ケ浜海水浴場に上陸を仕掛けた。同地は海岸に対して山間が近いものの織田軍の陣地は整っていなかったこともあり、激しい撃ち合いはあったものの上陸に成功した。
若松海水浴場、奥田海水浴場、坂井海水浴場の三海岸に今川軍の主力部隊が上陸を開始した。同地には佐久間盛重率いる部隊が迎撃に出て激戦になった。
日本福祉大学では信行が全軍の指揮をとって奮戦していた。そこに赤鶴が近づいて来た。赤鶴は、その名の通りに赤い髪をしていたが背はスラリと高く、鶴の名に相応しい気品ある美人であった。
「信行様、敵は伊勢側にも上陸しました。」
「知っておる、だが、まだ戦るぞ!」
「残念ですが…撤退した方が良いと思います。」
「何故だ!!」
「南知多の勢力は徹底抗戦まではしません、降伏は避けられないでしょう。それに信長様からは遅滞戦術に努めよとの達しだったはずです…」
「確かに…そうだな…ここで味方を全滅させる訳にはいかないか…」
「はい」
「よし、撤退を開始せよ!」
信行の命令で織田軍は撤退を開始した。撤退は意外とスムーズに進んだ、佐久間も撤退することを前提とした布陣をしていたからである。それと赤鶴、青彩、黄猿がお膳立てをしていた。
ちなみに、信行が撤退をした後も河和海水浴場では依然として激戦が繰り広げられた、最終的には後方に上陸した今川軍が合流するまで織田軍はしぶとく抵抗して味方が完全撤退するまでの時間を稼いでいた。
撤退後の信行は緒川城に入り、周囲に防衛線を敷いて今川軍の攻撃に備えた。しかし、今川軍は緒川を重要な拠点とは見なしておらず、包囲するのみに留めて攻撃はしてこなかった。
信行は兄信長の勝利を信じて緒川で待つことなった。その間、信行の妻と子供を緒川に連れて来ていたこともあって信行は家族と幸せな時間を過ごすことが出来た。
※信行の妻と子供は水野家に対して我々は運命共同体である!!ということを表すための人質という側面があった。万が一に備えて次男は末森城に置いてきていた。
この間、赤鶴や黄猿が食事を作って振舞ってくれたりした、青彩も信行の心を落ち着かせるために『お茶』をたてて信行に振舞ったりしていた。
「おまえ達は優秀なんだから武者になったらどうだ?」
「いえいえ、私は嫁入りする前の修行ですので」
「私も商家の身分故に武家になるなど恐れ多いです。」
そう赤鶴と黄猿が答えたりしていた。
このような平穏な状況が続く中で信行は何か一計を投じようと考えていた。
「信行様!」
「なんだ、黄猿よ、」
「弥七という者から手紙を貰いましたが…どういたしますか?」
「確か…兄上の間者だったな?」
「はい、そう聞いております。」
信行は黄猿から手紙を受け取ると中身を見た。
「なんとぉ!戸田康光殿を謀るチャンスがあると書かれておるぞ!」
「まぁ、それは凄いことですねぇ私には分からぬ世界ですが…」
「よいよい、お主は黄猿殿に伝えてほしい!」
「はい、なんなりと(お辞儀)」
「策のためであれば、俺の名を使って良いよ伝えろ!」
その後、今度は青彩から大草松平家と松平信定を調略したという知らせが届いた。さらに赤鶴からも酒井忠尚を寝返らせることに成功したと入った。
「これは僥倖すぎる!」
それだけでは無い、兄上は敵が天白川を迂回するという情報を掴んで奇襲をかけると伝えて来ていた。信行は決戦の時が近いことを確信した。
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