第5話 京ケ峰の戦い 戦勝大宴会

 今川家から来た城代は戸田康光だった。前世で彼は父上を安いお金で売り払った人である。東三河の田原城の支配者でもある。城代としては最悪で味方にはなりそうに無い人物である。


「これは康光殿、遠路遥々、岡崎によUこそ来ていただきました。」

「ふん、ちんけな街だな、汚らしい、城も惨めだ!」


 むかつく奴である。マジで最悪な城代であった。しかも西郷正勝までいた。彼の子孫が秀忠だったりする。

 ガルルルル!と睨みたくなるが懐柔するなら西郷の方が楽そうなので…ぐぬぬ…秀忠め!運の良い奴め!!


 戸田及び西郷は兵士と家臣を率いて岡崎城に入城してきた。岡崎城の二の丸まで接収しようとして長親と揉めたので俺が仲介になって二の丸の明け渡しを拒否すると長親が喜んだ代わりに康光との関係は決定的に悪いものになった。(城代と言いながら城主ズラである、長親のお陰で完全な城の奪取は阻止できた。)


「これから京ケ峰の戦い、戦勝大宴会を開催しよう!」

「「「おおお!!」」」


 戸田康光の奴は暗殺を恐れてか城から出てこなかった。西郷の奴はノコノコ出てきて「仲間に入れてくれ!」と言ってきた。図々しい奴だが大事な懐柔相手なので加えてやった。


「わぁーい!宴会だ!」

「秀康様は気が利く!!」

「ギギを食べよう!」


 誰だ!ギギに関して口にした奴!(怒)出てこい!叩き切ってやるぞ!!


 宴会が始まると長沢松平領の人と家臣を加えて盛大に騒ぎ出した。最近暗いことが続いたせいか…妙にバカ騒ぎな様子に発展する。それを聞きつけた岡崎市民もワラワラと集まってきて騒ぎは収拾付かないほどに発展する。死人が出なければ良いが…


 因みに宴会は大音量の音楽がガンガン頭が痛くなるくらいに流され、いろいろな踊りが踊られた、戦国時代に踊られていた激しいダンスから民謡、はたまた意味不明なダンスが踊られた。周囲には出店や騒ぎを聞きつけた店主が店を開きだし始める、他に無料の飲み物として、お酒とジュースが出された。食べ物は、おにぎり、団子、おはぎである。かなり豪勢なので心配して数正殿に聞いたら。


「あの程度の安いモノなら予算内で余裕ですよ!」


 と言われた。マジか!凄いな死後の世界は!!


「義安殿、元気を出しなされ!」

「…」


 吉良義安殿は京ケ峰の戦いでも活躍した。意外と義安殿は俺の盾になるように勇敢に付き従ってくれた、しかも家臣の吉岡定勝は最前線で奮戦して大活躍していた。


「残念だが…我々の力では限界なのだ!」

「…」


 お酒を黙々と飲みながら俺の話を無視する。無理も無い!今川の家臣のように扱われ、康光の書記長として従事するように命令されたのだから…可哀そうである!まったく今川義元という男は!酷い奴だ!!


「おまえじゃい!」

「心の声が聞こえたかな?」

「お主に尽くしたというのに…(涙)」

「元気だしてくださいよ!」

「可哀そうだと思うじゃろ?」

「お、おう、可哀そうだと思うよ?」

「同情するよね!」

「お、おう…」

「ならば一つ言うことを聞いてくれぬ、じゃろろうか?」

「おう、何でも聞いてやろう!」

「死んではくれぬか?」

「無理デース!」(離れようとする)


 すると俺の袖を掴んで慌てて弁明する義安殿


「待て!待て!冗談じゃよ!本気にするでない!!」

「本題を素直に言いなさい!」

「はい、すみません…」

「で、なんですか?」

「実はのう裏切った家臣どもに復讐がしたいのじゃ!!」

「おう!しようではないか!!」


 願ってもいない申し出だ!たぶん恩を売ろうと画策しているに違いないが…ここは乗ろう!!

 という訳で義安殿と悪巧みの話をした。


 宴会の席では喧嘩も起き、勝負沙汰にもなったが…血生臭い事態は避けられた。三河武士にしては行儀の良いことで…満足である…


 宴会で知った驚愕の真実…

 それは白米が贅沢品では無い!という事実である。

 他に砂糖もハワイ?フィリピン?台湾辺りから大量に入ってきているそうだ…

 台湾は朝鮮戦役で知っているが…あと沖縄だな…


「ハワイとはなんぞ?」

「ワイハーです!(キリッ)」


 と数正殿に言われた。ついでに地図を貰った。

 地図は素晴らしく精度が良かった。南蛮のより精度が高い!日本の技術は世界一だ!!

 あと、正信にググる地図という『すりーでぃーのえいせい?』技術とかいう地図も見せられた。

 凄すぎて目が飛び出てしまった。


「ぷっ!可愛いですね!!」


 と正信に馬鹿にされた。

 可愛く笑ったので許すことにした。


 お風呂場


「いや~親交を深めるために皆でお風呂に入ろう!!」

「おお!」(忠勝)


 他の連中の目が痛い!なんだ!その目は!!俺はヤマシイことなど考えていないぞ!


「水着で入りましょう!」

「なんだ!水着とは!!」

「水泳用の服です」

「水泳はフンドシでするもんだろ!軟弱だぞ!!数正殿」

「黙りなさい!!」(激怒)

「お、おう…」


 お風呂は家臣用に作られた大型風呂である。健康領地という名前だそうだ。


「男性陣はカーテンの向こう側で、お願いいします。」

「チッ」

「秀康様、ダメですからね!」

「おう、そんなことすると思うのか?」

「はい!!」

「…」


 仕方が無いので水着に着替えた。クソッ!!


 女性陣が来るまでに身体を洗った。

 しかし、凄いな…お湯まで出るぞ!


「熱い!熱い!熱いぞ!私めの珠の肌が!!」

「うるさいぞ!成重!!」


 調節を間違うな!まったく慎重さが足りんのだ!富正など俺の体を拭いてくれるぞ!!

 身体を洗いおわったらお風呂に入るのだが…ここで気付いたのだが…

 忠次殿は男だったんだな!体格が良いとはいえ、女性だと思っていた…

 美人に見えなくも無いし…

 そういえば、正重はどうした?いないではないか…


 ブクブクとお風呂につかりながら入口付近を凝視していると…

 遂に!入口が開いて女子どもが入ってきよった!!

 おおおお待ちに待っておった時がキタ!


 忠勝、康政、正信はスク水という名の水着を着ていた。

 胸部分には『へいはちろう』『こへいた』『正信!』と書かれていた。

 忠勝は完全に元気娘、康政は少し恥ずかしそう、正信は…あざとさを感じる歩き方をしていた。

 数正殿はビギニを着ていた。中々…グヘヘという感じで良い感じに肉が付いていた。


 だが、一番最後で衝撃的なのは遅れて入ってきた、正重である。

 着ていたのはカラフルな競泳用水着だった。(女子用)


 おい!エロいぞ!!本当に男なのか!股間を見るが…付いているのを確認できんぞ!!


 胸は無さそうだし、筋肉も付いているとはいえ…ラインとか全体的なスタイルは女子だろ…

 まぁ尻が小ぶりだから…うーん…悩むなぁ…

 勝気な表情だけど…少し恥ずかしそうなのがエロさを高めてるぞ!


「「わぁーい!」」

「「「きゃはは」」」

「それ!それ!」(忠勝が二人に水をかける音)

「やったな!」(康政の声)

「お仕置きです!」

「ぎゃああ!正信やめろ!」

(康政に羽交い締めされて正信に攻撃される忠勝)


 眼副である!


「さぁお風呂に入ろう!」

「「「わぁああ!」」」


 ざぶん!!


 今俺は極めて酷い状態にいる。


 右に忠勝、左に康政、後ろに正信に密着されてしまった。

 いい匂いするな!クンカクンカ!…秀康はルイズコピペ状態になった。


 ふぅ…こうしてお風呂を堪能したぜ!


 ちなみに富正が不貞腐れていた。あと正重から殺意を向けられた!!

 怖いけど…可愛い…怖いけど…可愛い!!(大事なことなので…以下略)


 風呂上がりの『コーヒー牛乳』を飲んで風呂は終了した。

 湯上りの女子も良いが…正重は本当に男なのか…

 それを正信に聞いたら…「確かめて見たら?(ゲス顔)」

 と言われた。

 正重が俺を強烈な殺意で見ていたので止めておいた。


 正信に髪の毛をといでもらっている時の正重は可愛かった。

(仲の良い姉妹にしか見えません!)



 寝室


 寝室でも三人は騒いだ、寝る前のゲームだ!みたいなノリで遊んだ。


 疲れたので眠る。


 グーグー


 夢の中で三人を突いて遊ぶ夢を堪能した。

 いやぁ良い鳴き声でしたよ!

 本当に妄想は楽しいなぁ…


 朝起きると両手が何かを触っていた、右は柔らかいが弾力があり、左は小ぶりだが柔らかい…

 ふむふむ、何なのか確かめるために何回か触ると…

「「あっ!」」


 突然の喘ぎ声と…


 パシャ!


 という嫌な音がした。


 目を開けると…ゲス顔の正信が俺の息子を踏むように正面に立っていた。

 片手にはスマホという端末が握られていた。


「おまえな!」

「なにか?」

「撮るのは良くないよ!」

「うるさい!このブタ野郎がっ!!」

「やめろ!俺の息子を踏むな!!」

「気持ちいんだろ!ここか!ここなのか!!」


 止めろ!マジで!息子が爆発するだろ!!


 ちなみに右手が忠勝、左手が康政でした。


 数正殿が軽蔑した目で来てくれなければ…

 大変なことになっていた。


「警察呼びましょうか?」

「お、おう、警察なんぞ!叩き殺してやる!!」

「では、正重を呼んできましょう!!」

「止めて!正重は止めて!洒落になりそうにない!!」


 正信にもてあそばれたぜ!!もう少しで危ない境地に達するところだった。

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