第3話 京ケ峰の戦い
馬で長沢城に向かう途中で馬で向かうのは諦めた。だって早すぎるだもん!馬速すぎぃ!扱うのが難しいので慣れなければな!ということで車に途中で乗らせてもらいました。
「カッコわるいですよ…」
数正殿に言われてしまった。
車内で富正に抱き着いて慰めて貰った後に数正殿と打ち合わせした。その忠次殿とも打ち合わせして作戦を決定後、三手に分かれた。酒井殿の左翼は宝樹院の周辺に陣取った。戦車隊は丘を登って東名高速道路に布陣した。数正殿の部隊は一部のモブ戦車隊が音羽工場の道を通って行ったが主力は番場に向かった。
秀康陣営は兵力を三手に分けることにした、中央に秀康本体、左翼に酒井忠次、右翼に石川数正である。
以下、主な各隊の所属武将
秀康本体(兵力約1500人)
吉良義安、本多重次、本多正信、本多正重、榊原清政、本多忠真、本多忠勝、服部正成、鳥居元忠、平岩親吉など
左翼(兵力約1500人)
酒井忠次、大久保兄弟
右翼(兵力約1000人)
石川数正、榊原康政、大須賀康高など
作戦
秀康が戦う上で考えたのは左翼と中央で敵を迎え撃つことである。中央は敵を引き付けて誘い込み、敵が前進してきたら後退する、その後、右翼の石川隊は全ての四号戦車を含む戦車180両で中央と左翼に隠れて後ろから敵に見えないように移動後、番場付近の小高い丘と林を突破して敵側面を奇襲する。
それらと同時並行で左翼の大久保兄弟が残りの戦車隊を率いて石川隊が側面を奇襲したのを合図に総攻撃をかけるという作戦である。
運用状況
兵士の大半が武士と戦車と戦闘車両の乗員及び砲兵になる。非戦闘要員として車両の運転士と手伝いが臨時雇用で来ている。敵から見ると実際の兵力より、多く見えた。武士の数が多く、兵力の半分ほどが武士であった。
戦車の乗員は三人である。車長、砲手、操縦手となる。砲弾の装填は自動装填となるが装填には数秒かかる。石川隊は戦車の上に兵士が乗る格好になっており、防御力は戦車のシールド+兵士分ということになっている。
中央隊には三突及び砲兵の全てが配置されている。これらは突進してくる敵戦車を迎撃する為に配置されていた。
松平家側はパンツァーファウストを装備していて戦い慣れていた、魔装甲冑も装備率が高く、簡易的なモノを着ている歩兵も多かった。非戦闘員は戦う要員では無い契約だが住んでいる場所が最前線付近のために手慣れていた。
富永忠元陣営
中央本隊(約4000人以上)
右翼(約2000人以上)
左翼(約1500人以上)
作戦
中央に戦力と戦車を集中させており、松平家の戦車による突撃を警戒していた。基本的には三手に分かれて中央が敵の攻撃を耐えている間に左右両翼が敵を包囲する作戦である。
運用状況
こちらは正規兵が多く、先の戦いで士気が上がっていて戦車以外の車両の数が極めて多かった。敵を包囲すること前提なので砲兵隊は分散していたが対戦車砲兵のみ中央に集中していた。
松平家側に比べると先進的な装備が目立つ一方で簡易版魔装甲冑などの装備比率で劣っていた。士気は高いが戦闘に対する練度は劣っていた。
さらにソミュア戦車及びB1は乗員が三号戦車などと比べると自動装填装置の故障などを警戒して装填手がいた、車長が砲手を兼ねていたりした。さらに通信専門の車両がいないために通信兵まで搭乗させていた。
本戦
敵視点
先に動いたのは松平勢であった。富永隊を見つけると中央と左翼が動いて敵に砲撃を仕掛けた。
「敵は戦車で突撃してきません」
「自慢の戦車で攻撃してこないのか?」
考える富永である、数は自軍が有利なのは確定であり、敵が小佐町を越えたので好機と考えた富永は全軍に突撃命令を下す
「全軍予定通りに行動せよ!とつげきー!!」
ソミュア戦車とB1戦車が敵陣へ突撃する、それを迎え撃つ三突の砲撃が始まった。両軍は激しく撃ち合うも、勢いは明らかに吉良軍にあり、勢いに押されて松平軍が後退する。
「押せ!押せ!一気に押しまくれい!!」
だが松平勢は関屋信号まで後退すると頑強に抵抗し始めてきた、武力80以上のモブ三河武士と武力90以上のモブ本多兵が強すぎて吉良軍は中々前に進めない。さらに吉良軍右翼は先陣で戦う酒井忠次が強すぎて敵を後退させられずに中央に後れを取る事態になった。
秀康視点
俺の率いている中央が東海道と線路上及び周囲の建物の近くに三突を前面に出して布陣していると敵が現れた。ちなみに俺自身は関屋の線路上に陣取っていた。
三突が突撃してくる敵戦車を撃破するものの敵の勢いは衰えない。戦車=騎馬だと思えば良い、というか戦車と一緒に騎兵と足軽も突撃してきている。彼らには戦車砲の一発程度では効かないらしく弾きながら突撃してきた。
「予定通りに兵を引け!」
「「兵を引けええええ!」」(富正と成重の声)
「敵を引き付けながらだぞ!!」
俺の的確な指示のお陰で予定通りに部隊は敵を引き付けつつ後退した。
後退している間、思ったのは大砲の音の大きさだろう。戦国時代でも砲兵はいたし、数十門の一斉射撃も珍しくないとはいえ、技術の進歩が激しすぎて驚くものがあった。
忠次殿の部隊も立信寺までは後退したものの立信寺の前にある丘で止まり、突撃してきた敵と激しく斬り合いになったようである。そこで忠次殿が鬼のように奮戦していた。
小佐町という場所には小川が流れていて、そこの過ぎた所で後退は止めて乱戦となる。
「すごいなー近くまで敵に攻め込まれてしまった!」
そんな素直な歓声を上げる。敵は百メートルくらいまで迫っていた。
そして乱戦となる中で敵の左翼が小川を越えて番場方面から俺らの中央部隊を側面から攻撃してきた。
「そろそろ来て欲しいのだが…」
数正殿の部隊が来るのに絶好の状態だが来ないので焦りだした時にである。
番場付近(石川隊)
石川隊は予定通り、番場の小高い丘を越えて林を抜ける。
「今だ!全軍、敵の側面に奇襲をかけろ!!」
ブオオオオオオオン!!(進軍の法螺貝の音)
戦車に旗を掲げ車体に歩兵を乗せながら戦車隊が突撃した。
(ちなみにカラーリングが派手な車両もいた。)
「やっちまえ!」
バババ!! バババ!! ドーン!(機関銃と大砲の音)
敵の左翼の兵士が奇襲を受けた、対戦車砲は中央に集中しており、反撃できず、戦車の機関銃が猛烈な勢いで敵を蹴散らした。戦車の車体に乗るモブ本多とモブ三河武士が戦車から槍を突き出して近くにきた敵兵を刺して刺して刺しまくった。
「うあああああ!」
「ぎゃああああ!!」
「うげええええ!」
逃げ惑い始める敵、一気に敵中央にまで接近する、敵の対戦車砲は乱戦のために味方に誤射する可能性を考えて動けない、さらに一号と二号の一部が敵の砲兵隊に突撃して吉良軍の砲兵隊が蹴散らされてしまう。
「敵戦車、正面から来るぞ!昼飯の角度だ!」
榊原康政の乗る戦車が敵戦車と会敵する、さすがに敵も反転して反撃に移ろうとしていた。
ドーン!カキーン!
敵の砲弾は戦車に当たるものの昼飯の角度をとった四号の装甲に弾かれた。昼飯の角度とは戦車を傾かせることで装甲に角度を付けて敵の砲弾を弾くことである。
「通り過ぎるぞ!」
康政に言われて砲手が砲塔を旋回して敵の戦車の側面に通り過ぎる間際に一発撃ちこんで敵戦車を撃破した。
「降りろ!降りろ!」
戦車隊が敵陣に突入すると戦車に乗っていた兵士達が下りて戦い始める、中には戦車が走っているのに、お構いなく飛び降りる猛者もいた。
「わあああああ!」
一気に敵は包囲され始める。
「いっけえええええええ!」
大久保兄弟が率いる戦車隊も敵中央になだれ込んで攻撃を始めた。
「数はこちらが有利だぞ!敵中央を突破しろ!!」(富永の声)
ドーン!ドドン!!ダダダ!ダダダ!ドーン!
秀康視点
ブオオオオオオオン!!(進軍の法螺貝の音)
という音と共に数正殿の戦車隊が敵の左翼部隊を背後から奇襲した。
「勝ったな!トイレ行ってくるは!」
と思ったら…敵の左翼が崩壊するも敵の中央は俺がいるところに向かって突撃してきた。
「やべぇな…」
大久保殿の率いる戦車隊も左翼から突撃するが敵の勢い止まらずの状態であった。
「夏目が斬る!かかってこい!!」
「「ここを通りたくな俺を倒してみろ!!」」
「弓矢持ってこい!!
「平岩行くぞ!」
「はいよー」
などとモブ達の奮戦で敵を押し返すも、敵も勢い失わずに激しく突撃してきた。
「貴様ら雑魚など!相手にならないんだよ!!クソ共が!!」
と凄い言葉を発しながら戦う人物がいた…
「正重殿が恐ろしいくらい戦っているな!!」
「私の弟ですよ!!惚れ惚れしますよね!」
「お、おう、というか男なのか?どう見ても美少女だろ!」
「やだなぁーあんな可愛い女の子が実在する訳ないでしょ!!」
「お、おう…」
確かに可愛いけどさ!…正重殿だからな…あっ察しの戦いである。まるで空を飛ぶように飛び回りながら敵を槍で刺しまくっていた。
「にゃーおどれぇー殺すにゃー」
「「我らの相手になどならん!」
「弓矢が尽きたぞ!!」
猫のように動き回りながら戦うモブや一番槍を取ったにも拘わらず今だに最前線で奮戦するモブ、豪傑のように戦うモブ、狂ったように弓を撃っていたモブ兵が弓矢は尽き始めると敵陣に突撃して弓矢を放ちながら敵に刺さっている弓矢を引き抜いては撃つという…恐ろしすぎる芸当をして暴れていた。
「いろいろ凄いなぁ…我が兵は圧倒的では無いか…」
忠勝視点
激しい攻防が行われる。
「若!お下がりください、ここは我らが!!」
本多忠真は今だ元服したての本多忠勝に気を遣う、それを聞いた忠勝が忠真に言い放つ!
「よいか忠真!俺は初陣で敵の大将首を取ってくるぞ!!」
「無茶です!!おやめください!!」
「楽勝だぞ!!いってまいる!!」
「わかああああああ」
本多忠勝は敵の大将を乱戦の中で見つけていた。佐町の黄色い立派だった住宅の近くで兵士を鼓舞していた人物の元に馬に乗った忠勝が突撃していった。
富永はモブ三河武士やモブ本多を蹴散らしながら勇敢に戦い軍勢を指揮していた。
「敵の大将!!討ち取ったりいいいいいいい!!」
忠勝が突撃してくるのを見抜いた富永は自信満々に向かい打つ!相手は幼い童だったが富永は油断はしていなかった。
「我を討とうとは、その心意気良し、だが負けなどせぬわ!!」
両者が接近する!お互いに馬に乗っての戦闘であった。槍と槍が交差する!!その瞬間である、富永の槍は忠勝の槍によって弾かれてしまう、
そして忠勝の槍が!相手の体にシュゥゥゥーッ!!
超!エキサイティング!!した。
富永は忠勝によって打ち取られてしまう!!
それを見ていた吉良軍の兵士たちは戦意を喪失してしまう。
「うあああああああ!」
「富永さまがああああ!」
「うちとられたああああああ!!」
「にげろおおおおおおおお!!」
それに対して勢いづく松平軍が追撃をかけて敵は包囲されて殲滅された。逃げ切れなかったものは勇敢に戦って討ち死にするか投降して捕虜になるしか無かった。
「勝どきを上げよ!!」
そう秀康が叫ぶと!!
「うおおおおおおおお!!」
「うりいいいいいいい!」
「ほんだああああああ!!」
「ヒャッハー!!」
味方は逃げる敵の敗残兵を襲い始める。
「逃げるとは卑怯にゃー最後まで戦え!」
「「そうだ!そうだ!最後まで戦かえ!」
「矢を回収して持って来い!追撃するぞ!!」
いやはや、血の気が多い高いことで…
富永が討ち取られて敗北した事実を知ると吉良義昭率いる本隊が長沢城の包囲を解いて後方に撤退した。
それを確認すると長沢城から長沢松平勢が逃げてくる富永軍の残党兵を攻撃してボコボコにして次々と捕えて捕虜にした。
秀康率いる松平軍と長沢松平勢が合流した。吉良軍は後退後、逃げてくる敗残兵を回収して再編後に後方の毘沙門山付近に布陣した。
「いやいや、何とか勝てたな!」
ヒヤヒヤしたが勝てたことに嬉しさを富正と成重に伝えると二人が頷いた。
そんな秀康の視線に一人の美少女が槍を持って武然と立っているのが写る、
彼女?の名前は本多正重、姉と似ている容姿だが…
姉のように『あざと可愛い』小悪魔風というよりは…
目がつり上がっていてキツイ雰囲気を出している。
だが可愛い!だが可愛い!(大事なことなので二回言いました!!)
こんな可愛い子が女の子のはずがない!!じじつ!男だ!!男なのだ!!
「ミヤああああ!」
「お姉様ああああ!!」
姉の本多正信がミヤにだいしゅきホールドで抱き着くとミヤも嬉しそうに微笑む!
可愛いなおい!
「なにいいいい!」
正信がミヤに口づけしたぞ!キマシかな?と思ったが…
「あの兄弟…大丈夫なのか…」
さすがに呆れる秀康である。
その頃、別の場所では…
「忠真!やったぞ!敵の大将の首を取ったぞ!!」
無邪気そうに忠勝が富永の首を片手に持ちながら忠真のところにやってくる!
「凄いですな…」
忠真は一言そういったところ…
「そうか?意外と弱かったぞ!!」
そう言って首を持ち上げて目線を合わせる忠勝
「止めなされ、死人に鞭打つつもりですか!汚いから早くしまいなされ!!」
それを聞いて忠勝がジド目になりながら
「爺やも相当、酷いな!」
他の皆も勝ちに乗って騒ぎ立てる。酒井忠次と石川数正が…
『どちらが活躍したかで揉めていた』
榊原康政と大須賀康高がお互いに勝利を分かち合うと共に…
『どちらが多くの戦車を撃破したかで揉めていた』
そんな勝どきムードの松平軍に一人の伝令兵が飛んでくる。
「新たな軍勢が現れましたあああああ!」
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