第3話
現在の海はもはやかつての海とは違う。温暖化による種の絶滅がこれ以上進行しないよう、管理養殖出来る以外の魚の漁は国際的な取り決めで全て禁止された。そのため食べられる魚の種類はかなり減ってしまったが、大陸で大規模に生産される食料の輸入もあり特に食べるモノに困っているわけでもない。
いまの海はクジラとイルカ、それとシャチなど大型生物の楽園である。
さて、過去のデータベースを探していると
『絶滅危惧種のうなぎが大量に売られて廃棄される問題の実態に迫る』
『乱獲によりうなぎは絶滅寸前!マグロも危機的状態!政府は温暖化を理由とした言い訳をするな!』
『うなぎ密漁の実態に完全密着!』
『イルカやクジラはむしろ資源を食い尽くす!クジラ漁の伝統を絶やしてはいけない!』
のような記事がいくつか出てきているがどうも出典がはっきりとしない。いくつかの記事をパッチワークのようにつなぎ合わせて作られているようだ。
しかし、記事の年代から察するとこの時期はかなり膨大なフェイクニュースが流されていたはずである。それは50年前に情報戦争に繋がる流れであり、この時期の記事は情報操作の疑いもあるため読むときはかなりの注意が必要となる。出典も書かれていないこのような記事はまずフェイクニュースの類いだろう。
さて、こうも暑い日が続くと大陸産のソウギョの煮付けでも食べたくなるな。
うなぎが失われた未来 ゆたりん @nirakuyu
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