第2話

うなぎの料理方法もいくつか残されている。甘辛いタレを付けて焼き上げるそうだ。身は脂が多く、わざわざ脂を落とす料理法もあった。うなぎの血には毒があるため調理は難しかったらしい。

うなぎが絶滅したいまとなっては食べようと思っても食べられないのだから、どんな味なのかは想像も出来ない。ただヘビのような見た目や、血に毒があるとか脂が多いようではそれほど美味しくもなかったのだろうと想像される。


そういえば以前、うなぎを食べたことがある90歳の老人の話がメディアに取り上げられていた。

その老人が10歳のとき、近所の川の漁の網に死にかけたうなぎが入ってらしい。すでに禁漁法があったため漁師は逃がそうとしたのだが、網から外す最中に死んでしまった。その当時の写真がかろうじて残されていて、現在博物館に展示されている標本とよく似たヘビのような生き物が写っていた。近所にたまたまかつてうなぎ料理店で働いていた元料理人がいたため、集まった人達で料理をして食べたとのことだ。

しかし肝心の味の感想は「柔らかくて美味しかった」とだけしか記事には載っていない。まぁ90歳の老人だし、幼い頃の記憶が美化されていることもあるだろう。

味の感想はほぼ参考にはならない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る