第3話 炊事愛好者。

あら、旅人さん。いらっしゃい。


ここは街唯一のご飯処よ。

皆さんお腹を空かせるとここに来るの。

自分で料理するより、私が作るものの方が美味しいんですって。

嬉しいわよね。


あ、自己紹介がまだだったかしら。


私はコミー。

料理が得意なの。

ご飯を提供することが好きなのよ。


どうぞあなたも食べていって?


何がいいかしら。

そうね、あなたにはこの野菜とお肉を使ったスープがいいんじゃないかしら。

それからお魚ね。

丸焼きもいいけど、オススメは天麩羅よ。


それでいい?分かったわ。


私はね、気が付いた時からずっと料理を作ってきたの。

誰に何を食べさせてあげるか考える時が、1番の幸せなの。

でももっと幸せなのはね、その料理を食べた人が、どんな料理になるかを考えることなの。


あなたは、どんな料理に、なるかしら。

ふふふ。


あら、行ってしまうの?

料理は?

そう、満腹なら仕方ないわね。


いつでもいらっしゃいな。

とびっきりのご馳走を用意して待っているわ。

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