あさっての銀色

結城 小五郎

初夏/快晴

 君に必要とされたいと。

 生まれた場所なんて関係ないと。

 この命だって捧げると。


 騙ったのは何時だっただろう。


 さらさらと掌から零れて逝く銀色の灰。

 天道に応えるかのように光るソレ。

 少し前まで大切だったモノ。


 罪悪感と無力感と、それから安堵。


 もう頑張らなくてもいい。

 もう考えなくていい。

 もう縛られる必要はない。


      彼女のいない世界で

            無力な僕は何を望もう。

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あさっての銀色 結城 小五郎 @kogoro_yuki

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