act.1 邂逅
「なぜ私の屋敷で貴様の様な
気が付くと俺はこの世のすべての闇を纏った様な、そんな言葉が似合う少女に見下されていた。
あれ?
なんでこんな状況になったんだ?
ここは…庭?かなり広い庭だ。向こうに……屋敷だろうか、立派な建物が見える。
少なくとも自宅のベッドではない。
じゃあ夢?いや、風が頬をなぜるこの感覚はまさしく現実(リアル)だ。
……俺は昨日何をしていたんだっけ……?
俺は昨日…………
ダメだ、思い出せない……
「おい、聞いているのか」
ゴスッ。
ヒールが降ってきた。
「―ッツ!踏む事ないだろ!」
「おや?起きていたのか、てっきりまた寝てしまったのかと思っていたよ」
コイツ…!
「初対面の人間になんてことしやが…ゴフッ!」
ヒールでの踏みつけ、からの、みぞおちに一蹴り。どこの女王様だよ。
残念ながら、俺にソッチの気はない。
「待てって、とりあえずここ何処だよ?」
「なんと…蹴り所が悪かったようだ…。大丈夫、ボク?お名前、わかる?」
「バカにしてんのか?」
「おぉ、そこは理解できたか」
「はぁ……。とりあえず、ここ何処だよ?」
落ち着け、俺。とりあえず情報収集だ。ここはグッと我慢だ。
「人に物を頼むときは頼み方があると誰からも教わらなかったのか、嘆かわしい事だ」
グッ。
「ここは何処ですか?」
「んー?聞こえんなぁ?」
ピキッ
「…ここはいったい何処なのですか、愚かな私めにどうか教えてくださいませんでしょうか?」
「ふむ、まずまずだな。よろしい。愚かな貴様に教えてやろう」
ふぅ…
アトデイッパツクレテヤル。
「ここは
…は?
「この世界では異常のあった魂がその解明のために送られる訳有どもの掃き溜めだ」
「ちょっと待ってくれ」
「あ"?」
話の腰を折ったのは悪いけどそこまで顔歪めなくてもいいんじゃないかな……
「つまりここは死後の世界で、俺は既に死んでいると?」
「そうだが?」
なにか問題あるか?て顔で見てんじゃねぇよ。こちとら大問題だ。
「おっと、配慮が足りなかったようだ。すまない。貴様の死因だが……」
「その『貴様』って呼ぶのなんとかならない?」
「じゃぁ下b「却下」
誰が下僕だ誰が。
「貴様の意見は聞いてない」
「すまない」
「?」
「アンタはその言葉遣いからして、かなり上の立場の者だよな?」
「…………そうだが?」
「じゃぁ言葉に重みがないのは良くないんじゃないか?」
うぐっ、そんな声が聞こえてきそうな顔だ。正に苦虫を噛み潰した様な顔。
ざまぁ。
「…私に誠意を見せろ、と?」
「さすがお偉いさん。話がわかるじゃない」
「で、なにをしろと?」
「今回の件の見直しと、この世界の基本情報の開示、呼び方の変更を所望する。あと
名前も教えて欲しいかな?」
「…了解した」
そんなに悔しい事か?今にも食らいついてきそうな顔でこっちを見ないでほしい。怖い。
「私の名は
「
「そうか、ならユウキと呼ぼう。これでどうだ?」
「いいよ、それで」
いきなり下の名前はちょっと恥ずかしいけど。
「で、他に何が知りたい?」
「ここって死後の世界だよな?」
「何度も言わせるな」
「じゃあ妖怪とかもいるの?」
「いるに決まって…そこからなのか?」
そこってどこだよ。なんで溜め息付くのさ。
「……ここじゃなんだ、中で話そう」
「OK」
そういえばここってお屋敷の庭だったんだよなぁ…。
すっかり忘れていた。
周意の景色に目が行ってしまって足元を見てなかった。花壇に脛を思いっきりぶつけた。痛い。涙が出てきた…。上を向いて歩こうを物理的にやらないように気をつけよう…。
あぁ…幸先悪ぃなぁ…。
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