第8話 殺せ。
古びれたアパートのインターホンを鳴らすと、中から金髪の男が出てきた。
「あ? だれ?」
男は俺も顔を見ると、銀歯を光らせながら目を細めた。
「神崎 恭子の彼氏です」
男の顔が歪んだのがハッキリと見えた。
次の瞬間、頬に衝撃が走った。
俺は中に浮かびながら状況を飲み込む。
ああ、俺は殴られたんだ。
あんまり経験のないことに、少し脳が追いつかない。
「どこだよぉ、恭子は、どこだ! だせよ!だせ!」
男の目は異常に血走っていた。
だめだ、やばい。
脳は危険信号を発しつづてけていた。
このままだと……殺される。
それでも、俺は引くわけにはいかない。
恭子のために、絶対に……
俺は慌てて鞄をまさぐった。
アレを使うしかない。
できれば、使いたくなかったが……
もう仕方がない、俺が守るんだ。
鞄の中でこぶしを握り締めた。
*
ついた! ついたぞ。
やっとだ…… やっと会える。
やっと、俺が彼女を守れるんだ。
俺は強くドアノブを握った。
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