第6話 ラブレター
それを見てしまったのは偶然だった。
恭子の家に遊びに来て、それでたまたま落ちてたそれを見つけてしまった。
真っ赤な文字で『死ね、死ね、死ね……」の言葉で埋め尽くされた紙。
封筒に入っていたから多分手紙だろう。
なんでこんな悪意の塊のようなものが恭子の家にあるのか。
ゾッとたった鳥肌は一向におさまらなかった。
「どうした……の……」
にこやかな顔で戻ってきた恭子は、目があうなり俺の手に握られた紙をひったくった。
「おい、なんだよそれ?」
「……大丈夫だから」
「大丈夫なわけないだろ!」
思わず声を荒げてしまうと、恭子は怯えた顔でこちらを見ている。
何をしてるんだ俺は。
「……ごめん……大きな声出して。……でも、できれば話してほしい。力になりたい……なんて偉そうかもしれないけど……それでも俺にできることならやりたいんだ」
「……うん……ごめん……ありがとう」
*
あと少しだ。
あと少しで彼女の家に着く。
待っててくれ。
俺が必ず守るから……
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