第4話 最後に笑えれば

遠い昔の想い出だけど、今の話。

湊と香奈恵が出逢った話。いや、そうでもないのかもしれない。


「今日は誰も一緒じゃないのね、湊さん。」

「まぁな。暇だろ?」

「これ書き終わったら、ですけど。」

「待っててやるよ。」

香奈恵は昔からそうだったなあ。っと意味の無い事を考え始める。あいつがいなくなる前も、今も、変わらず仕事優先で、俺の事は後回しで、なのに、俺の無駄話につきあってくれる優しい妹みたいないいやつ。でも、一つだけ秘密がある。ま、言うつもりは無いんだけど。

「お待たせしました。何します?」

「うーん、おしゃべり。」

「えー、、、ま、いいですけど。」

ほら、こういうとこが妹っぽいんだよな。。。

「昨日、良い事があったんだよ。」

「え、なんですか?」

「会ったんだよ、涼介に。」

「え、は?え?お兄ちゃんに?」

「うん。会ったんだよ、偶然。」

「ど、どこで?」

「教えない。」

「えー、、教えて下さいよー。。。」

「いやだねー。それよりもさ、明日さ、暇?」

バレバレだなー。。。気になるって顔に書いてあるよ。。。

だからって、教えてやるつもりは無いけど、もう少し遊ぼうかな。うん。

「おーい?きいてるかー?聞いてねーな。コラ!」

そう言って顔をつねる。ちょうど、ブルドッグみたいな顔になる。

「っぷ。。何度やっても、ブスになるなあ。香奈恵は」

「うるさいです。で、なんで明日の予定聞くのですか?」

「連れて行きたいとこがあるから。」

「どこですか?」

「お楽しみ。」

「教えてください。」

「嫌だね。おっと、俺は帰らなきゃいけねーんだった。じゃあな。」

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