第12話
不穏な空気が流れる。
どちらも視線を逸らさず、ただお互いの呼吸の音だけが廊下に流れる。
どうする?なんて考えている暇なんてない。ただ、ここのフロアは最悪なことに部室と同じ階。
まだ帰っていない部員と鉢合わせしたらたまったもんじゃない...。
「ねぇ、何を考えているの?僕と殺り合うんだから他の事考えるなんて余裕だね。」
「貴方が学校に来なければ他のことなんて考えずに済んだんだけどね。」
そう爛が言うと相手の
「そんなに学校が嫌だったの?」
「誰かに見られたらどうすればいいのか分からないじゃない。」
「あー、それなら大丈夫だよ。君が守護者の姿になれば解決することだよ。」
とメアが言うと次は爛が頭にはてなマークを浮かべた。
すると、メアは爛に近づき
「例えば僕がここで夢喰を出して彷徨つかせたところで彼女達には夢喰の姿は見えない。...ほら?」
そう言うと手にいた夢喰達は部員達の周りをふよふよし始めた。
しかし、部員達は普通に話している。
その光景に爛は驚きを隠せなかった。
「どうして?私には見えるのに彼女達には...?」
「君、彼から何も教えてもらってないんだ。道理で僕に出会っても恐れなかったわけか。」
メアは殺り合うつもりで来たが相手が何も知らないことに気づき呆れてやる気が無くなって来ていた。
爛が唖然としている間に望みを壊す事は容易い事だったが、メア自身そのやり方は嫌っているため能力を閉まっておいた。
「あっ、私そう言えば貴方の名前知らないんだった。教えてくれない?」
我に帰った爛はメアの方を向きそういった。
「ほんと、君っておかしな人だね。僕なんて結構有名だし敵に名前聞くって言うのも前代未聞なんだけど。」
「いっ...嫌なら別にいいわよ。ただ、ちょっと教えてくれたし名前くらい聞いてもいっかなぁ…って。」
「はぁ...敵さんと仲良しする気は僕にはないけど教えてあげるよ。僕は
「へぇ...ナイトメアか想像以上にかっこいい名前持ってるんだね。」
そう言うと爛はメモ帳を取り出し、名前を記録した。
「あっ、あと二つくらい聞きたいことあるんだけどいいかな?」
「君、コミュ力高いって言われるでしょ。あーあ、なんか殺り合う気失せちゃったじゃん。なに?この平和なお話は。」
「うっ...じゃあいいわよ。戦いましょ。」
小馬鹿にされたのが癪に障った爛はすぐさま剣を取りだす。
「ってあれ?いつこの姿になってたんだろ...。」
相手のメアは話にならないと言わんばかりの顔をしてこう言った
「今日はおわずけ。家に帰ってパートナーにちゃんと話聞いた方がいいよ君。他の幸奪者に喰われるよ。相手が僕だったから、まだおわずけとか可愛いものですんだけど。...じゃあね。」
そう1人でいっぺんに話したメアは幸奪界へのゲートとなる扉を創り中へ消えていった...。
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