第11話学校で

 それは、突然のことだった。


「よーし、今からホームルームを始めるぞー。」


 私、神城 燗は契約やら望みやら何やかんやで色々疲れていた。


 そりゃ、確かに命懸けのゲームが始まったとはいえ毎日がバトルという訳では無いが、精神的に疲れていた。


 だと言うのに学校はまだある。

 正直、とても休みたい。あと2週間の辛抱だ。と自分に言い聞かせた。


 未だ私は守護者Guardianとしての自覚はなかった。ただ、人々が幸せになればそれでいいだなんて、甘い考え。


 七時間目の授業の終わり。

 チャイムが鳴り、私はロッカーの中にある教材を少しずつリュックへ入れる。


 先生が明日の話を簡素に話して帰りのホームルームは終わった。


 もし、この教室に夢喰バグが現れたら。皆の望みが喰われていったら救えるのは私だけで、でも私は人だけど人ではないことが皆に知られてしまう。


 そうなったら、これから私はどう生活していけばいいのだろう。と、起こって欲しくないことまで考えてしまっている自分がいる。


 そもそも私たちが暮らしている世界って何なんだ。まで、哲学的な事まで考えてしまった。


 部室につき、私は白雪姫に登場する小人役の人達の元へ行く。


 中学生の頃から演劇部には憧れていて、高校から初めて入部した。入部した頃は脇役だったけれど、一年が経ち今回の白雪姫では主役となった。


 九月には文化祭があり、その時発表する予定。けれどまだ王子役は決まっていない。


 台本の読み合わせなどをして終わった部活。まだ、活動という活動はしていない。台本を手に持ち、私は家に帰ろうとした。


 不意に、キーンと耳鳴りのようなものがした。


「まさか...ね。」


 学校の廊下で、辺りを見回す。

 しかし特に、あの時のような領域territoryに入った感じはしない。


「ねぇ、あの時の続きをしようか。」


 不意に背後から聞こえた声。

 振り返って見れば、あの時の少年が目に映る。


 さっきまで考えていたことがこんなすぐ起こるなんて、私は運が悪いな。


「なんで、ここに居るって分かったのか後でじっくり聞かせてくれない?


 ____夢喰闇植ナイトメアさん。」

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