第6話望み

「まさか、投げ技されるとは想定外だったな〜。」

ヘラヘラしながら、体を起こし紺色の瞳は爛を方を見る。

「私、あなたに聞きたいことがあるの。」

爛は少年から目を離さず、1歩前に足を出す。

「あなた達は人の望みを喰うものなんでしょう?喰べて奪ってメリットって何?」

少し悲しげな顔をしながらそう問いかけた。そして、少年ことナイトメアは笑顔でこう答えた。

「面白いからだよ。」

あの時、守護者を殺したような笑顔で。

「夢を見て叶えるために必死になる。けど、そんな無駄な努力を壊すことは簡単で少しでも壊れば、後はドミノ倒しのように勝手にその人の意思で壊れてくんだよ?」

最高に面白いでしょ?そう言って、少年も1歩前に足を出す。

「私、あなたの考え一生理解できないかも。」

呆れ笑顔でそう言い太陽に向かって右手を上げる。太陽の光が粒子となり右手にまとう。

「へぇ...君みたいな能力者初めて見たよ、壊しがいがある。」

彼の周りにいた夢喰が液状となり形を変えると同時に左目が渦を巻く。

まとわりついた粒子を振り払い一つの剣を握っている爛。

黒い水が凶器となりこちらへ向かってくると同時にナイトメアの横から扉が現れた。

「あー!メアちゃんやっと見つけた!お昼ご飯の時間...ってあれ?」

扉からは白い髪をしたオッドアイの子が出てきた。

「もしかして...戦闘中だった感じ?」

「はぁ...いいところでお昼の時間か、あと少しで戻るって伝えといてラミス。」

クスッと笑った彼はすぐさま表情を変えて爛たちの方を見た。

「今回はここまでにしといてあげる。また、会おうね麗爛さん。」

そう言い残してナイトメアは闇に消えた。


「...お疲れさん。」

爛の肩をポンと叩き頭をクシャクシャに撫でる。

「ふふっ、リンネは熱中症は大丈夫?」

「まぁな、結構休んだしスポドリも二本飲んだからな。」

「えっ!?あれ、1本私のだったのに!」

「んな、ケチくせぇこと言うんじゃねぇよ。スポドリのおかげで俺生きてんだから。」

「私のおかげの間違えじゃなくて..?」

「さーな、どーだろうな。」

一件落着、そんな雰囲気で2人は笑って家に帰った。

「私ね、思ったんだ。」

「あ?」

「人の幸せは好きだけど彼らみたいな人の幸せは歪んでる。」

「俺も人の不幸は大好きだけど、アイツらみてぇなのが一番不幸にしたくなんだよ。」

「なんだ、最終的な敵は同じじゃない。」

そう、笑って彼らの初めての夢喰狩りが終りまた幕が上がる。

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