第7話 反逆
「さて、君はこの物質uαが何なのかは知っているかね?まぁ何も考えずにエネルギーを貯蔵していただけだろうが、こいつは貯め込んだエネルギーを一気に解放するといった使い方も出来るのだよ。こんな星程度の文明なら滅ぶのに十分なエネルギーは貯まっている」
「そ、そんな…。我々は言われた通りに従っていただけなのに…」
「なに。別に悔やむことはあるまい。おまえは以前自分でこう言っていただろう。
『システムに従うことこそが幸せのはず』
だと。ちゃんとその会議の報告はこちらにも届いていたんでね。こうして人の理から逸脱した文明が滅ぶのもシステムの一部なのだよ。システムに従う君たちからすればそれは幸せのはずだ。そうではないのか?」
「く………、滅ぶことが幸せなわけがない…。いくら高等人類だろうと、我々を滅ぼす権利などない!おい、憲兵!こいつら高等人類どもを拘束しろ!」
「おいおい、随分とつまらないことをするじゃないか。こんなことをしていったいなんになる?我々に何かあればすぐに母船に連絡がいく。それこそ星もろとも破壊されるぞ?」
「…。あんたにはあんたが教えてくれた方法を使わせてもらう。この薬を飲ませて記憶を消して、そのまま母船に送り帰してやる!」
「なるほど。ちゃんと自分で考える頭はあるようだな。なに、私もこう拘束されては何も出来ない。無駄に抵抗するのもバカらしいから、さっさとその薬を飲ませるのがよかろう」
「ふん。随分と聞き分けがいいじゃないか。高等人類とやらも大した存在でもないんだな。ほら、さっさと飲んでここでのやり取りは全部忘れてしまえ!!!」
そう言ってB星の代表はグラスの水に薬を溶かして高等人類に無理やり飲ませました。他に拘束した高等人類にも同じように薬を飲ませていきました。
やがて高等人類は脱力し呆けた顔をして何もかも忘れたような状態になりました。本当に忘れたか確かめるために簡単にいくつか質問をしましたが、ちゃんと全て忘れていることが確かめられました。
そうして高等人類に渡した資料などから証拠になるようなものは処分し、B星の代表は平常を装いいつも通りの態度で高等人類を連絡船に乗って帰るのを見送りました。
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