葡萄

聞いてくれ、見知らぬ人よ


わたしの心のなかでいま悲しみだけが


ガラス細工のように凄烈なのだ


糸の如く引き伸ばされた悲しみはつややかで脆く


触れると指を損なうほどに熱く


もはや冷めゆくのを待つしかないのだ



どうすればいい?このいびつな形を


誰が正してくれる?いびつな悲しみがぎちぎちに満ちたせいで形の変わってしまったこの心



明日わたしはこの心を切り捨てて来ようと思う


葡萄を房ごと切るように


そうしたらきっとなにもかも終わるだろう


もうなにも感じずとも良いのだ

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