葡萄
聞いてくれ、見知らぬ人よ
わたしの心のなかでいま悲しみだけが
ガラス細工のように凄烈なのだ
糸の如く引き伸ばされた悲しみはつややかで脆く
触れると指を損なうほどに熱く
もはや冷めゆくのを待つしかないのだ
どうすればいい?このいびつな形を
誰が正してくれる?いびつな悲しみがぎちぎちに満ちたせいで形の変わってしまったこの心
明日わたしはこの心を切り捨てて来ようと思う
葡萄を房ごと切るように
そうしたらきっとなにもかも終わるだろう
もうなにも感じずとも良いのだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます