秋
遠い梢がゆれている
近い梢がゆれはじめる
それだけの一瞬を、私は見逃さずにいられた
讃美歌に気をとられずに、見逃さずにいられた
空は薄灰色にくもっていた
夜のしじまに
飲みさしのコップがしんと冷えゆく
走る度に
痛む鼻先をあたためたくなる
家族の優しさがわずらわしく
陽光に溶けだしたはずの本の活字が見つめる底から滲みだす
夜が意味ありげにそよいでいる
ああ、秋が来たのですね
誰かが待ちこがれていた秋が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます