黒い水面
ああ、浅ましい。扇風機までもが湯上りの皮膚に軽い風を送ってその存在を伝えてくる
感情もないくせになにか言いたげに首を振り
私の怒りを掻き立てる
なぜこんなにも私はみじめなのだろう
なぜこんなにも私は怒っているのだろう
人に誠実を求めながら
私の心はいつも黒い水面の上でゆれている
黒い黒い海。わたしの胸のなかに広がっている
あかりを投げかけられれば輝くこともある
海底から幾千の魚のまなこがのぞくこともある
けれどもひとりきりになればまた黒くたちもどる
餌のない水面に魚は浮かばない
そして、わたしはいつまでも暗く漣にゆれているままだ
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