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「…うおっと、そろそろアイツらを起こさないと…魔剣」
俺の別荘ばりにでかい館に近づいて来たので精霊達を起こそうと小箱から魔剣を取り出す。
「…ニーナ、起きなさい」
「ユリ、ファイ…起きろ」
「アニー、起きてー」
「おお、珍しく精霊達が勢揃い」
リザリー達が魔剣に宿る精霊達を起こそうと声をかけるとショコラが驚いたように呟く。
…っと、そういやショコラの格好を言ってなかったな…
緑の長い軍服を羽織るように着けていて、珍しく二の腕が半分見えるぐらいの短い袖の半袖に…
ホットパンツのような、それパンツじゃね?って言いたくなるようなショートパンツ。
あと黒ストにひざ下の脛当て…グリーヴ?に肘より下の手と腕を覆うような手甲。
…音から察するにチタンとかステンレスだかの軽金属の合金?で…
風通しの良いメッシュ仕様の、実戦で使うにはちょいと厳しめの見た目用…かな?
…見た目はまあ…戦士、っつーか軍人っぽいよ。
普通にイケメンで芸能人のモデルっぽいカッコ良い格好をしたエルーよりは、ね。
…籠手も脛当てもゴテゴテしたのじゃなくてシャープな細い感じだからなぁ…
脛当てはどちらかといえば金属製のブーツっぽい。
コレで普通の剣じゃなくて大剣だったら少しはゲームに出て来そうな見た目になってたような気がするんだが…
そこはしゃーねーか。
『…ん~、なーにー?』
『…マスターから呼び出しなんて珍しいな』
『…なに…?』
『…アニーやユリも?何かあったの?』
俺がショコラの格好を見て考えてると精霊達が反応した。
「今からさっき言ったお茶会っつーのがあってな、その場所に着いたぞ」
「…さっきって、あんた…もう二日も前の…」
『えっ!?うそ!もう!?』
『…だっ………き…』
精霊達に合わせた俺の説明にリザリーが呆れたように言ってる途中でユリが驚き、アニーも驚いたように呟く。
「とりあえず入場券みたいなのがあるから人化してくれ」
『わーい!創造主ありがとー!』
『ありがとう!』
『あり…と…! 』
ポーチから精霊達用に貰ったチケットを取り出しながら言うと、人化するや否や飛びついて来る。
「うおっ!」
『…ふぅ…』
まさか三体同時に飛びついて来るとは思わなかったので、後ろに倒れる…!と思ったがファイが後ろから支えてくれた。
「お、おお…すまん、助かった…一人ずつ来ると思ったからつい…」
『いや、礼には及ばん…お前達、創造主の迷惑になる事はしないと言っていただろう…』
『えー?別に迷惑になってないじゃん』
『そうよ、創造主から迷惑だ。って一回も聞いた事無いわよ』
ファイに謝りながら気を抜いていた事を告げると、またしてもため息混じりに精霊の女性陣に言うも全く気にされていない。
『…め……く…?』
「い、いや…迷惑ではないが…外では一斉に飛びついて来ないでくれ」
…ファイが居なかったら危うく服が汚れるところだったからな…
今からパーティが始まるというのに服が汚れてたら変な目で見られる。
…最悪変な性格の皇族が居たとしたら追い返されてしまってたかもしれないし。
俺はアニーの上目遣いからの小首を傾げる、っつー可愛過ぎるコンボに一瞬我を忘れそうになり言葉が詰まってしまった。
『…そと……が……る…』
『そうね、流石に外では…』
『…むぅ…じゃあ、我慢する…』
アニーが物分かり良く頷いて離れたのでニーナも賛同して離れ…
ユリは可愛く頬を膨らましながら納得いかないようにしながらも渋々俺から離れる。
「…流石に精霊が増えると大変だね…」
「あはは!ていとってば相変わらず精霊達にはモテモテだねー!」
その様子を見てたマキナが同情するように呟き、ショコラは笑いながら茶化してきた。
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