4
まさに海の砦とも言うべきか…
…逆にお茶会とかの集まりでしか使わないであろうあの島が、誰かに落とされて占領された所で別に大した影響は無いとおもうけども。
だってあの島を占領するメリットって皆無だもの。
誰にも攻められない代わりに、あの島から攻める事は出来ない。
理由は通れるルートが一つしか無いから。
悪魔の海境の外で待ち伏せされたらどうしようもないし?
ルート上で相手が攻撃してこようモンなら…アウト。
魔物達は縄張りの近くの船しか襲わないからね…
ルートを通った後の外から砲弾を一発、悪魔の海境にでも落とせば魔物達がルート上の船を勝手に襲う…っていう省エネ作戦で終わり。
…まあ話はズレたが、そんな場所でお茶会が開催されるため俺の影移動では行けなくなってしまった…と。
あっと、帰りにルート外で敵の船に待ち伏せされた場合はどうするの?の対応策を言ってなかったな…
そういう時は俺らか、何名か来てるらしい円卓の騎士が先に殱滅させて安全を確保。
その後に皇族やその他を移動させる…のが最善策だろう。
魔術を使える奴がいれば海に影響を出す事なく海上戦が出来るし。
…流石に敵のテリトリー…海の中で戦うのはキツいし、厳しいよ。
なんせ動きが制限される、ってのが一番厄介。
普段通り動けないのに普通に戦えるワケがない。
魔術を使おうにも…火や炎は当然使えない上に他の魔術も自分にまで影響がでてしまう。
そもそも戦う環境を整えようとする時点で後手後手だからねぇ…
せめて深海のように暗い闇が多い場所であれば俺なら影移動の応用でなんとかいける…が。
問題は体力と肺活量と気圧だ。
気圧による圧死を回避しながら、息を保たさせて、体力の消耗する影移動の応用を使って戦う…ってのも絶対に長くは続かないじゃん?
…つまりは、海の中で戦うのはやっぱりダメ…やめといた方がいいね。
…そんなこんなで、車で港に向かい…
用意された高速艇で悪魔の海境に向かう事、約一時間半。
「…あれ?まだショコラ着いてないみたい…」
「まだ時間まであと20分あるから大丈夫じゃないかしら?」
「…まあもし間に合わなくても少しなら大丈夫じゃね?」
かなり間に合わないならあっちから電話来るし…最悪俺がどうにかするよ、と腕時計を確認するリザリーに俺はそう言った。
「…そうね、あんたがいれば心配は無いわ」
「そうだね、程人君がいるもんね」
「…とりあえず、あと15分待って本人や連絡が来なければ先に行って受付だけは済ませて連絡するか」
「そだな」
何故か今日はエルーが仕切る気なのか…まとめるように言ったので、ソレに賛同して邪魔にならない位置に移動してショコラを待つ事に。
…それから誰も来ない事、10分後。
「お待たせ~!ゴメンね、道が混んでて…」
海を見ながら待ってると一隻の高速艇が港に停泊し、ショコラが謝りながら小走りで降りて来る。
「…受付を考えるとあと5分は遅れても大丈夫だったぞ」
エルーは値段が億いくとかいかないとか言われる腕時計を見てショコラに声をかけた。
…たかが腕時計に億ってすげーよなー…って思ったが、どうやら貰い物だとか。
リザリー達も貰い物で持ってるらしいが、いかんせんデザインが男向けなのであまり気に入ってないらしく…
普通の数千円の細長いシャープな時計を着けている。
…エルーが億で、女性陣が数千円って格差が凄い。
…まあこいつらぐらい稼いでたらもはや値段なんてステータスよりも、見た目を気にするか。
俺?俺は腕時計なんてしないよ?
だって小型無線機…ケータイがあるからね。
時間を確認するだけなら腕時計なんて必要ないし。
…エルーや女性陣の腕時計の値段のアレコレを考えながら適当に会話に相槌を打ちつつ、島の中央にあるでっかい館へと向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます