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「…ほんと」


「…本人はそれ知ってんの?」


「…気まぐれでいいのなら、と返事した」


「え、ええー…クロノスも良くそれで結婚したな…」



予期せぬ事実に俺はもう若干ヒき気味だ。



いやいや、気まぐれで結婚をオッケーした大地神ガイアもそうだが…



そんな返答をされてなお結婚した時空神クロノスも、言ってはなんだが頭おかしいと思う。



…まあなんだかんだ別居したり同居したり、一緒に寝たり寝なかったり…



夫婦仲と言っていいのか分からんソレが良好なのだからいいだろう…とは思わない事もない。



…未だに離婚してないのだから仲が悪い事は無いハズ。



…まあ暇だから暇つぶしで、とかいう理由で結婚するよりはマシだろうけども。



「…仲は、悪くない」


「だろうな、ってか凄いな」



やっぱり心を読んでの返答に俺は予想通り…っつー言葉を言った後に感想を話す。



「…そう?」


「流石、考えというか感性というか…とりあえず人間とは異なってるぜ」



気まぐれで付き合う人は大量に居ても、ソレが結婚となればな…



付き合ってる状態や同棲してる段階まで進んでるのなら、まだ分かる。



だがクロノスやガイアの話を聞いた限りでは付き合いがあったとはいえ告白より先にプロポーズをした感じだ。



友達とかそこそこ仲良い知り合いに『結婚してくれ』って言われて、『気まぐれで良いなら』って返す時点でまずおかしい。



なのに『分かった、なら結婚しよう』ってなるのはもう意味分からなくね?



元人間で現妖怪とか魔物とかの人外である俺にさえ理解できねぇよ。



「…変?」


「…俺個人はおかしいと思うし、人間からしたら変だと思う…が、気にする必要は皆無だろ」



天界からしたら俺や人間達の方が変わった考えをしてるんだからな…と大地神ガイアの首を傾げての問いに否定して返した。



「…おかしい?」


「俺は変わり者だからねぇ…やっぱり子供が出来るか、ある程度コイツと一緒に生活してぇな…と思わないと結婚は難しいと思う」


「…子供が出来たら結婚するの?」


「そらぁ男として責任は取らないと…最低でも金は渡すよ」



やはり俺の考えは理解出来ないのか大地神ガイアは質問を続ける。



「…私との子供が出来ても、結婚する?」


「ほぼあり得ないと思うが…多分結婚はする、けど暇な時だけしか一緒には住めないハズ」



確率的に天文学的数字になりそうな感じの質問ではあったが、一応真面目に答えた。



…そもそも神と魔物の間に子供って……



わお、そういえば神話とか思い出してみると出来そうだぞ。



半神半人とか神の子供が魔物化…とかあるんだから魔物と神の子供が居てもおかしくはない…



ってか普通にいなかったっけ?



…あれ?じゃあ天文学的数字じゃなくなる…



「…なら問題ない」


「…問題はあると思うが…まあ子供が出来るのが確率的には予想外に高そうだな」



猫と犬、馬と人間との間に子供が出来ないように魔物と神じゃ子供は出来ないと思ってたけど…



意外と出来るかもしれない、ってんだからびっくりよ。



まあ神との間に子供が出来るんなら人との間にも子供は出来るだろうし…



魔物との間にも子供が出来るだろ、多分。



「…早速、する?」


「…何を?」


「…子作り」


「いやいや、いくら気になるからってそんな身体を張って試さなくても…」



大地神ガイアの問いに意図を読めずに聞き返すと、まさかのワードが来るので普通に拒否った。



…流石にクロノスに悪いしな…つーか今のままなら上に乗られただけで死にかけそうだから物理的に無理やわ。



「…だったら、身体能力を解放すればいい」


「うーん…お誘いは天にも昇るほど嬉しいし、本心としては絶対に断りたくないけど…今はまだ無理」



大地神ガイアがそう提案するも、ヤって負の塊がちょっとでも顔出したら大惨事になるので…血を吐く思いで断る事に。

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