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「…なんで?」
「コレを抑えきれなくなったら大惨事になる予感がするから」
…若干、本当に気づくか気づかないかぐらい些細な感じで不機嫌っぽい聞き方をしてきたので、俺は自分の胸に指を当てて答える。
「…残念」
「俺もだよ…ゲフッ」
「!?血が…!」
大地神ガイアの呟きに賛同すると咳き込んでしまい…口に手を当てると血が。
…どうやらかなり強烈なストレスを感じてたのか…血を吐き出してしまった。
「ゲフッ、ゲフッ…大丈夫大丈夫、ただのストレスが原因だから」
口に手を当てながら更に二度三度…と吐血すると地面にパタタ…と血が落ち、ソレを心配させないように事情を説明する。
「…ストレス?」
不思議そうに首を傾げてきた大地神ガイアを無視して俺は目を閉じ、深呼吸して抑圧した。
「…ああ、もう大丈夫…心配かけてゴメン」
「…本当に?」
「いやー、女神ガイアにあそこまで言わせて断るのは物理的に血を吐くほどキツかったって事になるな」
女にああまで行動させてんのに断る男ってどう考えても最低だろ。
…俺の場合は事情が事情だからしょうがなかったとはいえ…
ソレは言い訳にはならない。
つまり…俺は自他共に認める最低のクズだ、って事だな。
「…そうでもない」
「…そう?ま、どっちでもいいんだが」
大地神ガイアが否定してくれたが、別に俺からしたら拘る問題じゃないので適当に流す。
…さて、外の空気も吸ったし…中に戻るとしますか。
「…分かった」
「…何度も言うが、そろそろ心を読むのを止めてくれ」
「…天界では、諦めて欲しい」
俺の訴えに何故か大地神ガイアは首を振って拒否る。
「天界では、って…」
「…勝手に聞こえてくる」
「…なら心を閉ざせばいいワケか」
「…ダメ」
俺が納得出来ないように呟くとサトリの能力がオートで発動してるような事を言われたので、対策を取ろうとしたらソレも拒否された。
…俺の勝手だから別に良いと思うんだが…
「…面白いから、ダメ」
「なんだその理由…」
何様だよ、と言いたいではあるが神様だからなぁ…何も言えねぇ。
「…そう、ココでは私の言う事は、絶対」
「…絶対なのかよ…」
「絶対」
大地神ガイアのわがままのような独裁者っぽい言葉に呆れながら返すと頷きながら言い切られてしまう。
「…私の前で心を閉ざすのは許さない」
「別に許す許さないとかの悪い事じゃなくね?」
「……でも、ダメ」
俺の反論に対し、流石にリザリー達みたいに女王様のような自分勝手なドS理論は言わずに…
少し考えて可愛いワガママのように告げる。
「…まあ言ってはみたが普通にしてる分には心を閉ざすのは難しいからな」
俺が心を閉ざせるのは抑圧して戦闘マシーンになった時か、暗殺時か、戦闘時だけだし。
戦闘の時は抑圧してようがしてまいが心閉ざせるってば。
…何も考えて無いのと心を閉ざすってのは似てるようで違うよ?
「…そう」
俺の心を読んでの返事なのか、言葉への返事なのかよく分からない事を返されても反応に困るので…
無言で時空神クロノスの家の中へと入り、俺が使ってた部屋へ戻った。
そしていつもの日課である軽い運動を済ませて時空神クロノスの元へと向かう。
…何故か軽い運動の途中で大地神ガイアが来て椅子に座って俺の動きを見学してたけど…
なんで最初っからじゃなくて途中から?それまでどこ行ってたの?
んでもって俺の軽い運動を見に来た理由は?
などなど疑問に思う事は多々あったが、聞いても答えてくれなそうだったので大人の対応でスルー。
「いやー、良く寝たおかげで疲れも取れたぜ…部屋を貸してくれてありがとよ」
「…そうか」
「…それで、何を作ったの?」
俺がお礼を言うと時空神クロノスは特に興味を持たない感じで返し、大地神ガイアが聞いてくる。
「仮想現実を創り出す装置」
「…仮想、現実…?」
「…さきほども言っていたが…それはなんなのだ?」
俺が答えると二柱とも不思議そうに返す。
…つーかどれくらい寝たか分からんが、寝る前に言ったのは全然さっきじゃないと思うんだけど。
「…それはどうでもいい」
「ええー…勝手に心を読まれた挙句に無意味に流されるとか…」
「…私達は、仮想現実というのが知りたい」
人の内心の考えを興味無さげに流そうとするので軽く抗議するも…
やはりというべきか、当然のごとく全く取り合ってくれなかった。
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