36
「分かるわ、ソレに俺の部下共は俺が鍛えたんだぞ?単独よりも複数の方が強いに決まってんだろ」
個人プレーよりチームプレー。
一体では倒せない相手も二体、三体、四体…と増えれば倒せるようになる。
…まあ実際に鍛えたのは俺じゃなくて血を操る能力で生き返らせたゾンビ達なんだけども。
だって俺は俺で忙しかったし?
自分の修行や鍛錬もしないといけないんだから他に構ってる余裕なんて無かったって。
…当時の…昔の俺は、ね?
「でもね?本当に私達が本気出したら分からないと思わない?」
「…お前ら、禁止技を使う気か…?」
ショコラの反論に俺は嘘だろ…と思いながら返す。
「ソレを使えばまだ分からないでしょ?」
「お前のレールガンとかなら上に撃てばまあいいが…こいつらのはどうすんだよ」
マキナが首を傾げて聞いてきたので…エルー、ショコラ、リザリーを示して聞いた。
簡単に説明するなら…ショコラは大規模な地震、リザリーは大規模な落雷、エルーは大規模な噴火…
おまけとしてエリアは大規模なサイクロン、ハルトに至っては大規模な銀世界だぞ。
んな、天候環境生態系を狂わす技を使われたらその後のフォローはどうすんだよ。
威力があまりにも強すぎる上に範囲が広すぎて、周りや辺りに及ぼす被害が甚大だからって禁止技になってるほどの究極魔術なのに…
そんなモンを魔界や天界、冥界で使うんならまだしもこの世界で使ったら大惨事になる事ぐらい分かってんだろ。
…因みに、そんなん使われたら身体能力をフルにした俺でもヤバイので、威力はマジでエゲツないぐらいにエグい。
発動させる前に倒すか、能力を使わないと恐らくは…
「…だよね~…程人君がこの前やった結界みたいなのは?」
「魔力の消費がエルーとハルトを足しても微妙に足りないほど必要だから今の俺じゃ無理」
マキナが困った顔をしつつも意味不な質問をして来たので断るように答える。
「二人分かぁ…そりゃ厳しいね」
「はぁ…たまに本気の全力で戦ってみたいな…」
「…そうね、私も同意だけど…流石に周りの事を考えたら諦めざるを得ないわね」
ショコラが腕を組んで言うとマキナが落ち込んだように呟き、リザリーが諭す。
「だな、周りを巻き込むのは流石にNGだ」
「まあしょうがなくね?俺からしたらたとえお前らが本気の全力でも勝てないと思うけど」
「う~……程人君、どうにかならない?」
エルーも頷きながらリザリーの言葉に賛成するのでもしもの仮定の話をすると、マキナが無茶振りもいいとこな事を聞いてきた。
「なるワケねーだろ、お前は俺が何でも出来る神様だとでも思ってんのかよ」
「あはは、だよねぇ…はぁ…」
普通に無理だと告げたら軽く笑いながらあっさりと引いてため息を吐いて落ち込む。
「本気の全力を出して戦っても勝てるか分からないなんて超楽しそうだったのに…あーあ…」
何故かショコラも暗い顔で俯いて落ち込んだように呟く。
「…もう言わない方がいいわ、余計に落ち込むだけよ」
「…ん、そだね…」
「…でも……なんでもない…」
テンション低めなリザリーの言葉に気持ちを全く切り替えれないままショコラが返事をすると、マキナは何かを言いかけてやっぱり止めたようだ。
…なんでこいつらこんな落ち込んでんだ?
本気で戦えないなんて俺が死ぬ少し前から分かってた事だろ?
ソレに勝てるか分からない戦いなんて負ける可能性と半々なんだから面白くなくね?
「…そんなに本気で戦いたいか?面倒なだけじゃね?」
「…ていとには私達の気持ちなんて分からないよ…でも、この前はありがと」
「…この前は程人君のおかげで出来たもんね…リザリー、エルー…私達だけ、ゴメン」
「「気にしないで(するな)」」
俺の問いにショコラは落ち込んだまま呟いて珍しくお礼をいい、マキナの謝罪にリザリーとエルーの言葉が被る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます