35

「…はー、楽しかったー!」



…20分後。



適当に雑談してる俺らの所に満足した様子のショコラが戻ってきた。



「…楽しめたようでなによりだ」


「思ったんだけど…コレ使ったら魔術使わなくてもていとの部下だっけ?と戦えるんじゃない?」


「…タイマンならな」



ショコラが金属防具一式を外しながら勘違いした事を言い出したので、かなり限定的じゃないと無理…的な意味を込めて返す。



…まあ俺の部下の中でも一対一で本気のコイツらに勝てそうなのって10体居るか居ないかだし…



ほとんどの奴は前と同じ結果になるだけで…中の上だとしても禁止技を使われたら流石にギリギリで負けるだろう。



下手したら上の下でも、運がかなり悪ければ紙一重で負けてしまう可能性があるってんだから恐ろしい…



…ただの人間風情が、タイマンとはいえ、周りに邪魔されない好環境ならば、魔界の魔物の上の下クラスを倒せるかもしれない…って冷静に考えたらかなりヤバくね?



人間を超えた化物の俺でさえ倒すのがやっと…のクラスの化物を、そんな俺より劣ってるハズの人間が…って…



…いや、まあ…実際にリザリー達の俺より劣ってる部分って身体能力だけだから総合的にみたら上だけど…



ソレでも魔物で妖怪の俺よりは弱くないといけないハズの人間風情がかなり格上の相手に勝てる、って…もうパワーバランス崩壊するよ。



…魔物で妖怪のくせにお前が弱いだけだ、って言われたら何も言い返せないけどさ。



…俺基準で考えるからパワーバランスが崩壊するのか?



基準を別にしたらちゃんと釣り合う系?



…つってもなぁ…抑圧してフルにした俺を基準にしたらリザリー達でさえ相手にならなくなってしまうし…



戦闘マシーン化した俺を相手にタイマンで勝てるのって、神か七大魔王か魔界の王者…ソレに近いクラスとかになっちゃうからねぇ…



だって戦闘マシーン時の俺は魔物の能力、切り札、奥の手、裏技をバンバン使いまくって…挙句に身体能力フルで効率的に戦ってるんだから人間ごときじゃ相手にならなくない?



そもそも……っと、ヤバイヤバイ…話しがズレてしまう。



修正せねば。



……修正する事も無いけど、とりあえずリザリー達が人間でありながら人間を超えた化物の可能性がある…ってだけは言っとく。



そんな人間は日比谷とかあの勇者の素質を持った女の子とかの限られた極一部だけだと思ってたのに…



まさかこいつらがその領域にまで達する可能性がある奴らだったとは…予想はしてたけど、やっぱりびっくりだ。



…人間を超えた魔物と、人間を超えた人間…本気で戦ったらどっちが強いんだろう?



どちらかといえば人間を超えた人間、って火力お化けで耐久力は紙…ってイメージだからな…



先手必勝の一撃で決めるか、反撃を許さず弾幕攻撃をし続けるか、相手の攻撃を避け続けないと負ける気がする。



…そうなるとやはり人間を超えた魔物、の方に分があるかも。



…『人間を超えた人間』日比谷恭介と『人間を超えた魔物』エコー・アルバトロス…どっちが強いんだろ?気になるわ~…



「……聞いてる?」


「いんや、全く」



どうやら俺が考え込んでる間に何か話してたらしく…



マキナが確認するように聞いて来たので正直に返した。



「…程人君の部下、前は一体だけだったけど私達が勝てる数はどれだけなの?」


「…一体だけだろ、あのレベルの魔物ならな…それ以下ならまた違うが」



呆れたように多分さっき言った事と同じ事を言うマキナにちょっと考えながら答える。



「じゃあさ!今度三体ぐらい連れて来て!」


「やだ」


「えー!なんでー?」



ショコラのお願いをにべもなく断ると不満そうに理由を聞く。



「まず第一に面倒、第二にお前らが勝てる可能性が低い、第三に…」


「やってみないと分からないでしょ?」



…俺が理由を説明してる最中に割り込むような感じでリザリーが聞いてきた。



…最後まで言わせてくれよ…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る