『人間、辞めましたシリーズ』

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…外国の女性達は日本と違って性欲に正直だから近親相姦とか普通にヤるらしい。

…と言っても聞いた話でしかないから本当かどうかは分からないけども。

「…うーん、しょうがない…今からする話は愛梨には内緒にしててくれる？」

「？そんなに重大な話なのか？」

「…だって…母親と姉が近親相姦してるなんて愛梨に知られたら…」

「…え？」

母さんの提案に聞き返すと耳を疑うような呟きが。

「…今、なんて…？母さんと藍架が…？」

「…だってあの人は最近仕事で疲れてるから相手してくれないし…一人で慰めてる所を藍架に見られて…それから…」

母さんが聞いてもない経緯を話してる途中でヤカンからピー！というお湯が沸いた音が聞こえてきた。

…いやいやいやいや！藍架のやつ…！マジなやつじゃねぇか！

愛梨に手を出し始めてる時点で怪しさは感じていたが…まさか母さんの夜の相手もしていたとは！

俺は内心驚愕しつつもいつものポーカーフェイスで外面はクールに装いながら火を止める。

「…藍架にそんな気があったなんてなぁ…とりあえずお湯も沸いたし、続きはラーメンでも食べてからで」

…女同士で…しかも母娘でヤってるなんてそりゃ息子に知られたくないワケだ。

多分役立たずも知らないだろ。

「意外と驚かないね…もっとヒいたり軽蔑とかすると思ったのに…」

女同士で気持ち悪い、って親子の縁を切られたらどうしようかと思った…と母さんは不安なのか驚きなのかよく分からない呟きを漏らす。

「男同士だったらヒいたし軽蔑もするよ、でも女同士はな…男も女もイケるバイセクシャルなんて外国には多いし」

ショコラやマキナ、リザリー達は外人になるから女同士でヤってても普通だな…ってしか思わないけど…

日本人である藍架や母さんが同じ事になってるってのは…

…差別と言うか区別と言うか…俺得な部分もあるが、やっぱり多少なりとも抵抗が…

つーか、外人はオッケーでも日本人はちょっと…的な考えが俺の中にまだ残ってた、ってのが驚きだよ。

俺の思想は差別主義に近いけども…それでも人種とかでの差別はしてないつもりだったのに。

強い人と弱い人、天才と凡人、出来る人と出来ない人…に差はあってしかるべきだし…

後者が不当な扱いを受けるのは当たり前、だという実力主義の差別はしてるけどな。

馬鹿が天才に見下されるのは当たり前だし、周りから不当な評価をされるのも当たり前だろう？

…まあこの世の中に差別しない人間など皆無だけど。

人は見た目で判断し、言動で判断し、仕事で判断し、年収で判断するワケじゃん？

ブスやブサイクは見た目で男女の恋愛対象外という不当な扱いを受け、馬鹿も頭が悪いからと進学や就職で不当な扱いを受けたり…

男が零細企業で働いてたり年収が低いと女性達の結婚相手からは除外になるケースも多々。

…今挙げたのは会社のため、自分の将来のためを思えば至極当然の事だ。

つまり、差別するってのは人間にとっては至極当然で当たり前の事…ってなるんじゃね？

法律だって弱者法とか被害者が女性限定のがあるんだから…

やっぱり世の中差別社会なんじゃないの？

例えば…車乗ってて、前からバイクが横切ってぶつかったとしよう。

この国…日本ではどう考えてもバイクが悪いのに、何故か安全性や性能的に車が上だからって車が悪くなる意味不明さ。

ユニオンじゃ馬車が横切ったら横切った馬車が悪い、後ろからぶつかった車は被害者だ…ってなるのに。

…まあその例は人じゃなくて物だから差別にはならないけど…

そんな物事に上位下位をつけて有利不利の制度を作る国に住んでるやつがだよ？

人に対しては差別しません～、人類皆平等！って出来ると思うか？

無理だって、無理無理。

ユニオンでもどっかのアホの団体が差別反対だの人権守れだの意味不明な事を叫んでるけど…

理想ばっか見てないで現実を見ろっつーの。

差別だ人権だ叫んでる暇があるんなら魔物を倒すための訓練として剣でも素振っとけ。