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「…もしもし?あたしゃだけど」
「…おお、遠間程人か」
美人なお姉さんに子供には見せられないようなアハーンウフーンな事をして催眠洗脳した後。
本当に防衛省の妖怪対策課が半妖と関わっているのかを確かめるために式部へと電話する。
「ちょいと今気になる事が出来て…聞きたい事があるんだが」
「…気になる事が出来た?」
「詳細は次の機会に話すが…お前らんとこの忍者の組織って半妖を作ってんの?」
俺が電話した用件を伝えるとおうむ返しのように聞いて来たので、ザックリ疑問だけを尋ねた。
「…防衛省が半妖を?意図が分からない質問だが、俺が知ってる限りは無いハズだ」
そもそも敵である妖怪とのハーフなど敵が増える危険性があるワケだからな…上の方がソレを認めるとは思えん、ともっともな回答が返ってくる。
…つー事は科学班が独断で暴走してんのか?
あのお姉さんが嘘を吐いてるとは思えんし…上の許可も取らず勝手に半妖を作ってる系?
「そうか…そうだよな、変な事聞いてすまん」
「いや、気にするな…こっちも念のため探ってみるとするか…何か気になる動きがあったら連絡しよう」
「オッケ、じゃあまた夕方」
「ああ」
俺の謝罪に意図を汲めたんであろう式部が動くっぽいので話しを打ち切って電話を切った。
…式部に知らせたら組織側に勘ぐられるかもしれないと思ったが…
あいつが独自に動くんなら俺に辿り着く事は無いから大丈夫だろうよ。
…勝手に勘違いして動くつもりだったら普通に釘を刺してたけど。
にしても…どうにも嫌な展開になってきたような気がするぜ…
藍架や愛梨に科学班の魔の手が伸びない内に対策を講じなければ。
気づいたら藍架が半妖にされてました、じゃ取り返しがつくかどうか分からないからシャレにならんしなぁ…
こういう展開的にそういう確率が高そうな気がする。
…そうなる前に…ってかそうさせないために今のうちに先手を打って置かないと。
…とりあえず愛梨の仇は討ったから一旦家に帰るかね。
科学班については夕方に式部達と合流してから動いても遅くはないだろうし。
…流石に夕方から動いて、時既に遅し…藍架が実は半妖に!
っていう逆都合主義な展開になったら人間を滅ぼして、その責任を取って切腹自殺するわ。
俺一体の命では到底償い切れないだろうが、まあ償う気なんて皆無だから関係無い。
あくまで調停者達に向けて形式上、人類抹殺の責任を取るだけだからな。
何の意味も無いただのポーズよ。
…そんなちょっと意味の分からない事を思いながらある場所へと影移動して変装を解いた。
あ、影移動を発動させる際の血は半妖の青年のやつだから。
一部の石化を解いてから流れ出した血を…ってやつで、あの裏社会のドンだった美人なお姉さんのじゃないよ?
子供に見せられないっていってもバイオレンス…暴力的なやつじゃないからさ?
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