20

そんなこんなで朝食を作り終え、皿に盛り、テーブルに運んで片付け。



…睡魔に襲われてる最中だから雑なのは勘弁して。



その後、そのあと?皿を洗って自転車で愛梨を学校へ送り…



…さて、ここからだ。



「おう、てめぇ…愛梨を拐ったやつだな?」


「だ、誰だお前!」



案の定愛梨を拐ったヤクザ?が学校の近くを張ってたらしく…



俺の直勘で直ぐ分かったので近づきながら問うと男は狼狽えたように声を上げる。



「あ、あの式神一族の仲間か!」



…どうやらヤクザ?は式使のお姉さんにビビってるらしく俺にビビってるワケではなかった。



…まあそんな事だろうとは思ってたけどね。



「…それはさて置き、ちょっと話し合おうか…車の中で」


「話し合い…?」



若干残念な気持ちになりつつ、このままでは嫌でも目立ちそうなので…



俺はそう提案して直ぐに車の中へと乗り込んだ。



「とりあえず、事務所の場所を教えてもらおうか?」



愛梨が拐われたのがヤクザの事務所ってのは教えてもらったけど、詳しい場所までは聞いて無いので運転席に座ってるサングラスをかけた男に聞く。



「…ああ?てめぇ誰だよ、急に乗り込んで来て偉そ………!!」



男は俺の質問に答えず、サングラスを外して脅すようにメンチをきってきたので両手で首を絞めるように骨を折る。



「死にたくなければ答えろ、お前らの事務所はどこだ?」


「て、てめぇ!!…うあああああああ!!」



助手席の男に聞くも怒ったかのようにナイフを取り出したので両目に指を突っ込む。



そしてちょうど後部座席側に落ちたナイフを拾って男の首を掻っ切った。



「…あ、あああ…!!」


「今直ぐ死ぬか、俺を事務所まで連れて行くか…どっちを選ぶ?」



車に乗り込もうとした男は瞬殺された男二人を見て言葉を失って車から離れたので、俺も車から降りながら選択肢をあげる。



「じ、事務所に連れて行けば、見逃してくれるんだな…?」


「当たり前」



殺すに決まってんじゃん、と最後までは言わずに相手に期待をさせる部分で言葉を切った。



…なんでお前だけ見逃すと思ってんの?



ヤクザだかマフィアだかのクセにそんな甘い考えで良く今まで生きて来られたな。



俺は内心呆れつつ、運転席と助手席の死体をトランクに詰めてソコから取ったロープを窓から通して自転車を車の屋根に固定し…男の運転で事務所へと向かう。



「…こ、ここだ」



学校から離れる事15分。



どこにでもありそうな雑居ビルの手前で止まり、男が建物を指差して到着を告げる。



「…部屋はどこだ?」


「ま、待て!案内する!だから…!」



血が付いて戦場では使い物にならなそうなナイフを突きつけて聞くと、男は両手を上げて怯えながら車から降りた。



…こんな使えねーナイフでも刺してこいつを殺すぐらいは出来るだろ。



「…ここだ」


「そ、ご苦労さん」


「ぐっ…!!?」



四階建てであろう雑居ビルの三階で止まり、『原口組』と書かれた木の看板が下げられた部屋で男が止まったので…



労いの言葉をかけてナイフで心臓を一突き。



そのあと一旦引き抜いて喉に突き刺し、ナイフを横に薙ぐと適当な場所に刺して倒すように軽く蹴る。



「無名」



…男が驚いたように目を見開きながら倒れたけども無視し、ポーチから取り出した小箱から剣を取り出す。



…さて、女と偉そうなヤツ以外は皆殺しだな。



「…なんだてめぇは?」


「ここがどこだか分かってんのかぁ?」



ガチャ…どドアを開けると近くのヤンキーのようなヤクザが直ぐ様絡んできた。



「どけ」


「は…」


「!?」



俺は鬱陶しそうに言うと速攻で無名を抜いて目の前のメンチ切ってる男の首を刎ね、驚く男の首も刎ねる。

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