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…流石に同レベルの強さを持つ奴らがこぞって苦戦した、ってなればその魔物の脅威が窺い知れると思われ。
…とりあえず順番的にはハルトがボスみたいな感じになってるけど、このメンバーの中では一番勝率が悪い。
一応最初に出した奴から勝率が高い順だよ?
と言ってもみんなが本気で戦えば誰が勝つか分からんけど。
俺らの勝ち負けなんてその時の状況次第だからなぁ…
エルーだってマキナに勝つこともあるし、ショコラがエリアに負ける事も。
ハルトがリザリーに勝つ時もあったりするから…
実力が拮抗してるとそんな状況になるんだよね。
ただマキナとかショコラは負けず嫌いな面があるから、男性陣はしょうがなく折れてやってる…的な感じ?
実際俺らの間の勝率と実力は結び付かないし。
俺だってフルにしたら魔術使われようが絶対に負けない自信があるけど、そんな事しない…ってかそんな状況にならないじゃん?
…どうやら俺の煽りがスルーされたらしくマキナが離れた。
「…それにしてもあの魔物強いわね…」
「そうだね…ショコラがあそこまで苦戦するなんて…」
「…まあどんなに苦戦しようが最終的にはショコラが勝つけどな」
リザリーとマキナが予想外…と言った感じで呟いたので俺は端的に結果だけを告げる。
「え、そうなの?」
「おう、お前らが本気を出せばなんとか勝てるレベルの奴だからな」
「…なんとか勝てるレベルって…本気を出したとしても苦戦を強いられるという事?」
意外そうに聞いてきたマキナにそう説明するとリザリーが確認してきた。
「そうなるな、だが本気を出さないと確実に負けるぞ?」
「…本気を出して苦戦、普通にやれば敗北か…その言葉だけでいかに強い魔物か分かるな」
俺が頷いて負ける可能性について疑問系で告げるとエルーが魔物の強さを認識し始める。
「そりゃ魔界の魔物だからな」
「…まさかあそこまで強いなんて思いもしなかったわ」
「普通にアレ一体でマーラスの英雄とか余裕で倒せるレベルだもんね」
「…アレが二百体ともなると俺は生きてなかったかもしれん…」
ショコラと部下の闘いを見てリザリーとエルーは弱気になるも、マキナは早く闘いたそうにウズウズしていた。
…アレを見てなお、闘いてぇ…と思うって真性だな。
普通、戦闘狂って格上とか近しい力の奴とかとのバトルは避ける傾向にあるのに。
…マキナやショコラは明らかに戦闘大好きっ娘だが、雑魚狩りとかの戦闘狂は勝つのが好きなんだろうよ。
俺みたいなものぐさな性格だと全く理解できないが。
弱い奴を狩るってのの何が楽しいのか全然分からん。
虫を殺しても優越感やら爽快感は皆無だし、ソレは人間や魔物や魔獣の雑魚を倒しても変わらない。
「むー!」
「ケーッケッケッケッ!」
接近してきた部下へショコラがカウンターを食らわせようと剣を振るもジャンプして空へ逃げられ、笑われる。
…おお、部下が声を発するって珍しい…
…つー事は今はショコラに対して優位に立ってるって事か。
戦う相手にある程度の実力が無いと笑うどころか声すら出さないもんな…
「もう怒った!」
「あ、おい!」
「…逃げましょう」
「そだね」
ショコラが叫んで広範囲型の魔術を使おうとしてるのでリザリー達はその場から離れる準備をした。
「…出でよ、アイアンメイデン!」
部下が空から降りて来る前に早口で呪文を唱え終えたショコラが魔術名を叫ぶ。
するとショコラの周り…俺らの居る場所までの地面が陥没していき、部下を取り囲むように地面がせり上がっていく。
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