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一番強い部下で魔界だと上の下。
俺がフルの状態だけならタイマンでギリギリ勝てるレベルの強さだ。
…能力を駆使すれば周りに中クラスなら十数体いてもギリギリ勝てるハズ。
一番弱い部下でも中の中…魔界の魔物の平均クラスの強さだから…
つまりはこの世界の強さで表せば、SSSSぐらいの強さの魔物が二百数十体ぐらいいるって事だな。
…攻めようによってはユニオンでさえ落とせる戦力だっていうから恐ろしい。
あの円卓の騎士だって力を解放した部下共を相手にどこまで粘れるか…
人類最強の称号を持つ12人の人間達…vs約二百数十体の魔界の魔物達…
…因みに、微かにしか覚えてないけど…この前魔界に行った奴らを全滅させかけた魔物がおそらく中の中~中の上だったかも。
あの虫は個体によって強さが異なるから大きさで上のランクに入るかもしれんが…
まあ俺が普通に倒せるレベルだったから中クラスなんだろう。
しかも虫の数は10匹ぐらいだったっけ?
そんな桁違いの強さを持つ魔物共を従えるっつーのが当時の俺には荷が重かった。
だから力を抑えこんで強制的に従わせたワケで。
…問題児だから力を抑えられてもなお、封印を解こうと上司である俺に襲いかかる魔物はいるけども。
だが大半は俺に従う。
力が抑え込まれてる状態では俺に勝てないから。
魔王軍の上下関係は力が全て。
力が弱い奴は力が強い奴に従わざるを得ないのは当然じゃね?
誰が好き好んで自分よりも力が弱い奴に従うんだ?
今もそうだが、俺は一部の部下共に襲われたらその都度返り討ちにしている。
上下関係を分からせるために。
…とはいえ、そういうやつは力を抑えてる状態で勝っても納得しないし…
力を解放した状態で勝っても納得しないんだなー、これが。
人間性でいえば負けず嫌いっつーのに当てはまるんだろうよ。
…まあソレはさて置き。
力を解放した魔物と闘わせたら流石に分かるだろ。
魔界がどんなに危険な所か、っつーのを。
…こいつらなら俺の部下が力を解放しても普通に勝てるだろう。
…本気を出せば。
一体の魔物…しかも平均クラスを相手に本気を出さねば勝てないってのは…
そんな魔物が星の数ほどそこいらに溢れて生息してるとか、もはや絶望じゃね?
しかも本気を出してなんとか勝てる魔物よりもはるかに強い魔物がゴロゴロしてんだぜ?
言葉で聞くより平均クラスと実際に闘って経験すれば分かるハズだ。
今まで自分達がどんなに荒唐無稽な事を言ってたのか、どれだけ魔界を過小評価していたか…とか。
…思い知ったら恥ずかしいだろうなぁ…
ちょっと野球できる奴が『俺、将来プロ野球選手になるわ』とか軽く言って、自分の実力が甲子園では手も足も出ないレベルだった…的な感じで。
…違うか。
こいつら野球選手で例えるなら甲子園で連覇するぐらい活躍してドラフト1位指名されるほどの実力はある方だったや。
ただ即戦力としてプロに上がると手も足も出ずに二軍に即落ちする選手…的な感じが近いかも。
…所詮は井の中の蛙。
外に蛇がうようよ居る事を知らずに天敵が居ないと勘違いする悲しい蛙だ。
…まあ実際こいつらは魔界になんて行く機会は無いから井の中の蛙でも全く支障は無いんだけど。
…だが、俺のただの勘が不安にさせてしまう。
魔界を舐めてるこいつらなら最低限の支度も整ってないのに行きかねない…と。
その時に俺が魔界にいる保証はないし、暇してる保証もない。
たまたま偶然忙しかったりしたらもう最悪。
間に合う範囲で俺の直勘が働かない限り確実に魔物の餌になるだけ。
…流石にその事態にならないよう無理矢理にでも避けさせないとね。
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