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「そりゃあ優しさで教えてあげんだから上から目線にもなるさ」
「…で?何を教えてくれるのかしら?つまらない事だったら…分かるわよね?」
俺の投げやりな言葉にリザリーは怖い笑顔で尋ねた。
…うひょう!欲望が掻き立てられてゾクゾクするぜ…!
病んデレやメンヘラの女を行為が嫌になるまでヤり続けたい、怖い笑顔を快楽に染めてみたい…
性行為が大嫌いな貞操観念カッチカチの女を、逆に大好きになって貞操観念が緩くなるまで調教したくなる…
逆に性行為が大好きな貞操観念ユルユルの女を、性行為が嫌いになるまで毎日快楽を与え続けて貞操観念を固くさせたりも…
…綺麗なモノを汚したくなる欲望と、汚れてるモノを綺麗にしたくなる欲望…
…なぜ欲望にも二律背反のようなものがあるんだろうか?
もしかしてソレは俺だけ?
綺麗な女を汚す、汚れた女を綺麗にする…うん。
もはや自分の言ってる意味が分かんねぇや。
「…程人君?」
「…ああ、悪い悪い…妄想でリザリーにあんな事やこんな事をしてた」
早く知りたかったからなのかマキナが首を傾げて確認を取って来たので、謝って適当な事を言う。
「嘘だ~、現実で手を出さないクセに妄想するとかありえない…言い訳にしても適当すぎ」
普通にヒかれるかと思いきや…
ショコラは俺の適当な言い訳を否定してダメ出しを言った。
「…バレてたかー…」
「バレバレ、せめて…リザリーにこれからどんな事をしてやろうか考えてた…の方がリアリティあるよ」
「…お前可愛い笑顔でえげつねぇ事言うなぁ…」
「…ちょっと、話がズレてきてるわよ」
…俺らの会話が雑談の方に流れて行ってるのをリザリーが止める。
…なぜかこいつらと話すと結構な確率で本題からズレるんだが…
なんでだろ?ノリ?空気?雰囲気?流れ?
…まあなんでもいっか、最終的にはちゃんと本題に入るし。
「そうそう、話を戻すと…魔界の魔物の強さを実際に体験してみろよってこった」
「…って事は魔界に連れてってくれるの!?」
「なんでやねん」
本題に戻すとショコラがキラキラした笑顔で意味不明な事を言うので思わずツッコむ。
…なんのために俺の部下を連れてきたと思ってんだよ…
お前らを魔界に連れて行くなら部下なんて呼ぶわけねーだろ。
「…私達を魔界に連れて行く気が無いならどうやって体験するの?」
俺が内心呆れてるとマキナが不思議そうに首を傾げて聞いてきた。
「ココに居んだろうが、魔物」
「…いや、魔物って言ったってあんた…」
「…マーラスの英雄程度にやられた魔物を、わざわざ連れて来た…と言ってたな?何かあるんだろう?」
疑問に答えるように未だに寝てる俺の部下を指差すと、リザリーが呆れた様子を見せるがエルーが何かを察したように尋ねる。
「流石はエルー、分かってらっしゃる」
「…え?どゆこと?」
「何かある、って…強化でもするの?」
エルーの察しの良さに指を鳴らして褒めるとマキナとショコラが不思議そうに首を傾げた。
「惜しい、実際は強化じゃなくて解放だけどな」
「「「「…解放?」」」」
「俺の部下は全員魔界出身の魔物でな…この世界で暴れられたらヤバイから部下にする際に力を封印したんだよ」
俺の言葉に全員の疑問の声と表情が被ったので大まかに説明する。
流石に侵略部隊だ、っつってんのに戦闘部隊並みに力があったら侵略する時大変な事になるからなぁ…
魔物ができる手加減なんてたかがしれてるし、何より力を封印しないと俺の身が危うい。
…だって俺の部隊の総勢が二百数十体だよ?
そんなのに一斉に襲いかかられたらいくら俺でもひとたまりもない、だから逃げる以外の選択肢は無いワケで…
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