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「…ご苦労様です!この村の防衛の任を任されました、トルティーディ兵長です!」
空き家が全焼してから消火し、女の子を矯正してる最中に鎧を着けた兵士が敬礼しながら挨拶してくる。
「…良く私だって分かったね」
「はっ!恐れながら住民から聞き込みし、特徴が一致する事から判明させていただきました!」
俺が不思議そうに聞くと兵士ならではなのか…よく分からない話し方で敬礼したまま声を張り上げながら答えた。
…あのお姉さんは一時間だって言ってたのに、まだ50分ぐらいしか経ってなくね?
ケータイで時間を確認すると増員の到着が予想の時間よりも少し早い。
まだ女の子の矯正は始まったばかりなのに…
「…防衛って全員で何人?」
「はっ!我々の部隊は分隊でございまして10名程度でございます!ですが、後から更に増員が到着するという報告を受けております!」
…なるほど、一番近い街から来たのか…どうりで。
「そう?分かりやすく教えてくれてありがとう…それで、将軍はどこに?」
「いえ!勿体なきお言葉でございます!ミラリス将軍ならばまだ城に居ると思われます!」
俺の感謝の言葉に兵士は謙遜したように言い、あのお姉さんの場所を告げる。
「…城、ね…じゃあ後は任せても?」
「はっ!後は我々にお任せ下さい!」
兵士と喋るのも面倒だな…と思いつつこの村の防衛は任せて女の子を担ぎ男を引きずり村を出た。
そして街道のようなちょっと小綺麗な道路から外れ、城のある首都へと影移動する。
…そういや城のどこに居るか分かんねぇ…
…こういう時にケータイが役に立つ!
俺は城下町?の中に入り一旦男を手放してケータイを取り出し、お姉さんにかけた。
「…もしもし?」
「あ、もしもし?今、城のある街に着いたんだけど…待ち合わせは門の前で良い?」
「えっ!?」
お姉さんに報告しながら提案するとえらく驚かれる。
「…やっぱり別の場所が良い?」
「え、いや…え?本当にもう着いたの…?」
さっきと同じ場所は嫌なのか?と思いつつ聞いたら、困惑したように聞き返された。
「うん、もうちょっと遅い方が良かった?」
「ううん!全然!早い方が助かる!じゃあ城門前で」
俺の問いかけにお姉さんは力いっぱい否定すると電話を切る。
…あのお姉さんにこいつら見せたらどう思うかな?女の子はさておき、男は殺しそう…
俺はケータイをしまうと男の足首を掴んで引きずり考えながら城門に向かった。
あ、女の子は催眠状態でおとなしくさせてるけど…男は目が覚めた時にうるさかったからまた殴って寝かせてあるよ?
そうじゃないと暴れて大変だからねぇ…
結局女の子も説得に応じなかったから矯正せざるを得なかったし…
二人ともあのクズの歯を抜いたり、骨を折ったり、内臓を破裂させたりしてるのを目の前で見せても態度が変わらないんだもの。
仲間意識は薄そうだったのに、男と女の子は関係が良好的な感じっぽい。
意外とあの男は育った環境とかが違えば良い奴になってただろうに…
もったいないといえばもったいないけど…ソレも仕方のない事になるのかね。
「…お、早かったね」
「……え?もしかして…村さん?」
城門前に着くと既にお姉さんが立って待っていたので手を上げながら近づくと、俺を見て驚いたように確認を取る。
「ん、変装中だけど」
「…凄い…!どこからどう見ても、雰囲気とかも女の子にしか見えない…!」
頷いてそう返すとお姉さんは俺の周りをグルグルと回って確認しながら感嘆した。
…まあバレたら厄介だからそれなりにクオリティは高くないと。
「ね、ねぇ…触ってもいい…?」
「え?あ、うん」
肩に担いでいた女の子をそっと地面に下ろすとお姉さんが何故か遠慮がちにお願いしてくる。
特に触られて困る事も断る理由も無いのでとりあえず了承した。
「…柔らかい…」
「…まあシリコンジェルだかなんだかで作られてるらしいからね」
何を触るのかと不思議に思ってるといきなり擬似胸を揉んでくる。
…触るというよりも思いっきり鷲掴みにされてるように見えるんだが。
当然感覚が無いからどういう風に揉まれてるかも見える範囲でしか分からない。
「…結構大きい…」
「……一応身長に合わせた最低限の標準的な大きさらしいけど…」
俺が作ったワケじゃないからどう説明するか迷った結果、適当に思いついた事を口にした。
…変装しようと外道魔術を使わない限り俺の身長は変わらないしなぁ…
170そこそこじゃあ女にしては結構大きい方じゃね?
ショコラもマキナもリザリーも…目の前のお姉さんだって俺より身長低いし。
…あのメイド達は俺と同じぐらいだったり、少し高かったり、マキナ達と同じだったりと…色々あるよ。
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