36

「どうだい?遊ばれる側の気分は?」


「き…あぐっ!!」



男が何かを言おうとしたが左の太ももに無名を突き刺したので悲鳴に変わった。



「女を犯すのはまあ良い、お…私は許さないけど…罪としては軽いだろう」


「がっ…!ぐぅ…!」



刺したままグリグリと回しながら傷口をいたぶる。



「女を殺すのもまあ良い、当然許すわけないが罪としては軽い方だ…だがな?」


「うぐっ…!」



問いかけるようにして無名を抜いて左の太ももを斬り落とした。



「女を、無理矢理、犯して、いたぶって、殺す…というのはいただけないと思わないかい?」


「ぐうぅ…!!」



またしても問いかけるように言いながら無詠唱で炎魔術を発動させる。



ジュウウゥ…とさっきとは違い高火力で一気に焼くのではなく、炙るように焼いて塞いでいく。



「さて…君達の部隊は全員で何人居るのかな?ああ、舌を噛んで自殺を図ろうとしても無駄だよ?」



焼いて傷口を塞ぐからね…と俺は男の耳元でいかにも悪!と言った口調で囁いた。



「う…ぐぅぅ…!」


「唸ってないで答えてよ」



地面に倒れ、痛みで唸っている男の脇腹に蹴りを入れながら催促する。



あ、もちろん意識を飛ばさない程度に手加減…足加減してだよ?



「こ、答えても…ど、どうせ、殺すんだろうが…!だ、誰が、言うか…!」


「そう?じゃあ答えて楽に死ぬのと、黙ったままもっと痛くて苦しい思いをするの…どっちが良い?」



無駄に意味不明な強い意志で拒否した男に俺は出来るだけ可愛らしく笑いながら問いかけた。



「ふ、ふはは…!今の内に、殺しておかないと…後悔、するぞ…!」


「へー、因みに…デブとモヒカンは死んだよ?女の子と男は拘束済みだし」



強がりなのか良く分からない笑い方をした男の髪を掴んで持ち上げながらそう告げ、未だに目を覚ましていない二人の方へ向ける。



「なっ…!!ぜ、全滅…だと…!?」



…なるほど、全滅って事は全員で5人だったワケか。



よし、あのお姉さんに連絡して増援が来るまでコイツで暇つぶししとこ。



「…はい、シェリーです」


「もしもし?あたしゃだけど…とりあえず村に来た部隊は壊滅させたよ」


「……え?もしかして…村さん?」



お姉さんに電話して報告すると驚いたように確認された。



…あ、そっか…今は女の子に変装してたっけ。



「うん、詳しくは会った時に話すから…防衛部隊の派遣の方よろしく」


「あ、はい…おそらく一時間ほどで到着すると思います」


「オッケー、じゃ」



もしもなんかあった時のために、と衛兵の増員をお願いしたらあっさりと通る。



…さて…じゃあとりあえず村の様子でも見て回るかな。



「うう…」


「お姉さん大丈夫?」



呻いている男をボールのように蹴飛ばしてそいつに犯されていたお姉さんに声をかけた。



「…た、助けてくれてありがとうございます」


「どういたしまして…死体も片付けないとなぁ…」



俺は泣きながら頭を下げて感謝の言葉を言うお姉さんにそう返し、そこいらに転がってる女性達の死体に目を向ける。



…多少のわがままを許してくれんなら、この女の人達を生き返らせる事も…



いや、生き返らせたとしても犯されて殺された記憶は消えてないし…



大きな心の傷を負ったまま生きるのはどうだろう?



生きてればソレで良い、なんて他人の考えであって本人の考えでは無いハズ。



……アーメン。



結局俺は女の人達を生き返らせる事を諦めてクズをボールのように蹴りながら死体を空き家の中に集める事にした。




30分後。




衛兵や一般男女、デブやモヒカンの死体を集めて空き家に油をかけていく。



「何を?」


「みんなまとめて火葬しようと思って…死者のご冥福を祈ります」



俺の行動を不思議に思ったらしいそこらの一般人の問いかけに適当に返し、マッチを擦って火を点ける。



そしてマッチを投げて火事を起こし、死体を全部保管庫(特製)に影移動させて直ぐに消火出来るよう準備した。



…あ、あのクズみたいな男は火事になってる家にそのまま置き去りにしてるからさ。



歯を全部抜いて、骨も折って、内臓も潰したから…後は焼け死ぬのを待つだけ。
































































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