27
「……で?まさか、ソレを言うためだけにあの演技を?」
俺はピーン!と直勘に閃いてしまった事をそのまま聞く。
「ありゃ、バレてた?あの時は演技してたつもりは無かったのに…」
「…しかも愛人って…」
「大丈夫大丈夫、リザリー達には了承済みだから」
お姉さんはマキナがやりそうな…てへっと舌を出しながら呟く返しをすると、俺の呟きにあっけらかんと言う。
「ええ…」
流石の俺もコレは若干ヒき気味だ。
いくらなんでも姉妹仲が良すぎるだろう…この人…あいつらの中には奪い合いという言葉は無いの?
物でも彼氏でも…下手すりゃ旦那や子供でもシェアするんじゃなかろうか。
…いやでも、ドロドロした争いが無いから一応全て丸く収まるのかもしれん。
既に独占は無理だと踏んでのシェア?まあ奪い奪われの殺伐とした雰囲気は無いけど…実際そこらへんのあいつらの考えってどうなんだろ…
いくら俺でもそういった方面への考えを、察するというか見切るというか見透かすというか読むというか…とりあえず無理だな。
「一応リザリーからの伝言も預かってるよ?」
「…伝言?」
お姉さんの疑問系の言葉に聞き返すと机の引き出しの中から紙を取り出す。
「うん、えーと…『今すぐ生産大陸の研究所に戻って来なさい、私達の言うことを聞いてくれたらご褒美に良い事をしてア・ゲ・ル♪』だって」
流石は姉…と言うべきか…
完全にリザリーと全く同じ声で内容を読み上げ、最後の言葉で艶めかしい言い方をする。
声の完コピなんてかなり難しいのに…凄ぇぜ。
…つーか内容。
命令系の後のご褒美って…飴と鞭かよ。
「ええー…良いことって言われてもなぁ…」
俺は内容を考え込むように呟いた。
…だって良いことって俺にとって、って言ってるワケじゃないからね?
あいつらなら『私にとっての良い事よ、私が喜ぶんだからあんたにとってもご褒美でしょ?』的な事を平然と言ってのける。
リザリーだけじゃなく、ショコラもマキナも。
…リザリーは最初からドSだったからさておき…
マキナとショコラは俺たちが甘やかした結果女王様のような自分主義に近くなったようなもんだし…
流石に自分達でアレを育てて?置いて無責任に野に放って放置なんて出来ないっていう謎の責任感。
…まああと少しの我慢だ。
俺がやってる洗脳も今や進捗具合は8割を越す。
ソレが完成した時は立場逆転…ふっふっふ…今の内に良い夢を見るが良いさ!
「今の程人君には良い事じゃないの?」
「…いや、まあ…」
俺の下半身の一部分をジーっと見ながら首を傾げて聞いて来るお姉さんに言葉を濁しながら返す。
「…凄いって聞いてたから期待してたのに…」
「…凄い?」
「え?あ、うん…マッサージが凄く気持ち良いって言ってたから…」
下半身の一部分を凝視しながらボソッと呟くお姉さんに、そんな凄かったかな?と若干恥ずかしい気持ちになりながら聞くと…
まさかの性的な事とはあんまり関係のない別の事だった。
恥ずかしい!つーか紛らわしい!
「…ああ、マッサージ…マッサージね、なんなら今体験してみる?」
情報統括とかの事務仕事は大変っしょ?と俺は善意での提案をする。
…違うよ?
リザリー達と同じぐらい細身ながらも結構肉付きが良いから触ってみたい…とか思ってないよ?
そのリザリーやマキナ以上ショコラ未満の胸を揉みしだきたいとか、結構柔らかそうなお尻を揉みたいとか思ってないからね?
あわよくば食べれるかも…とかちょっとぐらいしか思ってないよ?マジで。
「え…?いや、まあ私としては願ってもない提案だけど…いいの?」
「…俺が嫌なら言わないっすよ、まあソッチが嫌なら無理に…とは言わないけど」
「…じゃ、じゃあ…120分コースでお願いしようかな…?」
変な駆け引き?の結果…お姉さんは備えつけられてる時計を見て、俺の下半身をチラチラ見ながらお願いした。
…いや、そんないかがわしく言われても…風俗じゃないんだけどな…
…一応ソレに近い事にはなるけども。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます