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「…え…?」


「とりあえずこっち来てくれる?」



ありえない…みたいに呟いた女の子に手招きした。



「……!… ひっ…!」



部下達を見て怖がりながらも剣を抱きながら俺の近くまで歩いてくる。



「とりあえず修行の第一段階として、コイツらと戦ってもらう」


「え…!?」


「ああ、大丈夫…コイツらには君を殺さないようお願いしてあるから」



信じらない…!という顔で俺を見たのでちゃんと説明した。



「殺さないようにって…」


「さっき君が聞いた魔法陣あるじゃん?アレの中に入れば瀕死の状態でも直ぐに全回復するようになってるから」



言わばゲームに出て来るセーブポイント的な?と、唖然としてる女の子に説明を続ける。



「ま、論より証拠か…おい」


「…がっ…!!?」



俺が部下の一体に指を上にしての手招きをすると女の子にタックルをした。



いきなりの攻撃に当然女の子が避け切れるハズもなく…



ヒグマのような魔物のただの体当たりなのに結構派手に吹っ飛ばされる。



「っか、はっ…!ぁ…?」



女の子は地面を転がって止まると何が起きたかわからない…といった顔になった。



「とりあえずあと二撃ほど入れとけ」



それなら意識が飛ばない程度のダメージだろう…と頭で計算してさっき体当たりした部下に指示する。



「あが…!!うぐ…!ヴ、あ…!」



適当な腕の振り下ろしをモロに腹に受け、続く爪を使っての振り上げで洋服と身体に三本の線が入った。



「まあ最初ならそんなモンか」


「いっ…!!うう…!」



俺は女の子の髪を掴んで引きずり白く発光する魔法陣の中に投げる。



その際髪が少し抜けたのを申し訳ない気持ちになりながら傷の回復を待つ事に。



「…あれ…?あんなに痛かったのに…もう治ってる…」


「とまあその魔法陣にはそんな効果がある」



10秒ほどで立ち上がり不思議がってる女の子に説明を続けた。



「…凄い…!」



そりゃな、この世界の誰にも出来ない芸当だし。



いくら賢者と言えどここまでのレベルの魔術は不可能だと思う。



だって…治癒魔術の上級を常時発動状態、みたいな感じだよ?



いくら桁違いで化け物級の魔力を持つ賢者とて上級の治癒魔術は一日に三回使えれば良いぐらいだろ。



あのアルバトロスでさえ上級の治癒魔術なんて一日に二回使えれば調子が良いとかなんとか…



それだけこの魔法陣を発動するには魔力が桁違いと言うか次元が違うぐらいのレベルで必要になる。



人間一人で賄える魔力消費量じゃない。



…まあどうやって設置したかは極秘事項…企業秘密っつー事で教えれないけど。



ヒントをあげるなら…パワースポット、魔石ってとこかね。



「あっ、髪を掴んで悪かったな」



剣を抱き抱えたままだったから掴む所が他にみつからなくて…と言い訳しながら謝った。



流石に服を掴んで破れたら見た目的に危なかったからしゃーねーべ?



「あ、いえ、大丈夫です」


「そう?じゃあ修行する上での条件を教えるよ?」


「条件…ですか?」


「ん、と言っても条件は一つだけだけどな…修行中にあいつら魔物を殺す事は禁止だ」



人差し指を立てたあとに律儀に待機してる部下達をスーッと指差す。



「それだけですか?」


「それだけ、あっちは君を殺さないから君もあっちを殺さない…オッケー?」


「…分かりました、なるべく殺さないように気をつけます」



理解したかどうか聞いたら勘違いしてるような返事が返ってくる。



「なるべく殺さないように…ね、とりあえず君がココから出たら修行開始っつー事で」



こいつやべーな…と思いながらも大人な俺は特に何も言わずに女の子の背中を押した。



「分かりました!」


「はいはーい!修行開始!」



躊躇う素振りも見せずに魔法陣から出ようとした女の子を見て俺は部下達に合図を送る。

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