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「チッ…!だが……なっ!?」
俺の考えが的中してたらしくさっき立ってた場所から舌打ちと驚きの声が聞こえる。
…おう、土の壁が裏からも壊されたか。
おそらく男の攻撃の効果だろうが衝撃波とのWパンチで5重の土の壁はいとも簡単に粉々に破壊された。
危ねっ!上から壊れた壁の残骸が!
俺はゴロゴロ転がって上から降って来る土の塊を避ける。
「どこ行きやがった!」
立ち上がると男が吠えて強風が吹き、土煙が払われた。
「…土の壁をいとも容易く破壊するとは…」
「小癪なマネをしやがって…!」
顎に手を当てて少し驚いた感じで呟くと男がギリッ…!と歯軋りする。
「コレでぶっ殺す…!」
右手を何かを掴むような形にして力を込めるとクリアな白色のオーラ?がソコに集中した。
その瞬間、突如木の上に人の気配が。
「死…」
「止めなさい」
急に現れた優男は俺に向かって走り出そうとした男の腕を掴んで止める。
…今の動き…結構な速さだったな。
「んだぁ!?邪魔するな!テメェから殺すぞ!!」
…まあ王道とも言うべきか…
破壊者と名乗った男は絶対に仲間であろう優男に殺意を剥き出しにした。
「宗主の命で呼びに来ました」
「ああ!?そんなの知るか!良い所で邪魔しやがって!」
淡々と喋る優男の胸ぐらを掴んで持ち上げ怒鳴る。
「止めるタイミングが悪ぃんだよ!あと一分待てば終わってたんだ、クソがっ!!」
男は殺意を剥き出しにして吐き捨てるように言うと優男をぶん投げた。
「ソレは失礼しました」
優男は地面をゴロゴロ転がるが何も無かったように立ち上がり淡々とした感じで頭を下げた。
「チッ…勝負はお預けだ、次の機会まで首洗って待ってな」
短髪男は物凄く不満そうな顔で舌打ちすると優男の所まで歩いて行き、捨て台詞?と共に消える。
……一体何だったんだ…?
俺はあの男と戦った状況や今の状況を考え、不思議な気分で首を傾げた。
え、途中で邪魔が入んなら俺があの男と戦う意味とか無くね?
いやー…まあマトモに?対応しなくて良かったわ。
自分の全く手の内を見せない戦い方を自画自賛しつつギルドに戻る。
「お帰りなさい、遅かったわね」
ギルドに戻ると受付嬢が迎えてくれたけど少年達は既に報告を済ませたのか姿は見えなかった。
「ミルディとカールから依頼についての報告は受けてるわよ」
受付のカウンターに近づくと受付嬢が先に話を切り出す。
「…そうか…」
「鉱山の時とは違う相手だったそうね?」
「ああ、声が完全に違った…ソレに…」
一応あの男と戦った事を軽く適当に報告する。
「えっ!?あの鉱山の時の男と!?ソレに破壊者って…?途中で現れた優男と言うのは…?」
受付嬢は俺の報告を聞いて驚きながらも報告書を作成した。
「かなりの使い手だったな…あのまま戦っていればおそらくは…」
最悪なパターンを連想させるようなトーンで喋り途中で切る。
「…得体の知れない連中ね…一体何なのかしら…」
「…さあ、な…分かっているのは今の段階では何も分からない、と言う事だけだ」
俺の言葉に、結局何も分かって無いじゃない…と受付嬢はため息を吐く。
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